在中国日本大使館経済部 中国経済週報(2021.8.19~2021.8.25)

2021/11/12
党中央の動き —— 総理が河南省を視察 18-19 日、国務院総理は、河南省(鶴壁・新郷・鄭州)を視察し(注)、災害復旧復興特別テー マ会議を主宰し、概要以下を…





党中央の動き

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総理が河南省を視察

  • 18-19 日、国務院総理は、河南省(鶴壁・新郷・鄭州)を視察し(注)、災害復旧復興特別テー マ会議を主宰し、概要以下を述べた。

    (1)中小水利施設の隠れたリスクの一斉調査と対策を加速し、堤防・ダムを科学的に整備し、水害防 止能力を高める。

    (2)都市建設では見えない部分の工事をより重視し、安全プロジェクトを第一とする。都市施設の安 全対策を整備し、早期警戒・緊急対応メカニズムを強化する。避難を重視し、緊急時には、地下鉄・ トンネルなど、止めるべきものは止め、封鎖すべきものは封鎖し、大衆の生命と財産の安全を守る。

    (3)新型コロナの予防・抑制、災害後の防疫対応に取り組み、情報公開を透明に行う。増水期はまだ 過ぎておらず、河南など一部地域では豪雨の予報もあり、水害防止・救援・応急活動をたゆまず行う。

(注)主な視察先:鶴壁(袁庄村の被災民家、農地)、新郷(衛輝市にある衛河の決壊した堤防の修復状況)、鄭州(地 下鉄 5 号線トンネルの被災現場、住宅団地、疾病コントロールセンター)。




産業・企業関連

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『個人情報保護法』を制定

  • 20 日、全人代常務委員会は『個人情報保護法』を制定した(注)。同法は、個人情報処理活動を規範 化するもので、同法の概要は以下の通り。

    (1)個人情報の処理には原則として本人の自発的かつ明確な同意を得なければならない。

    (2)中国国外にある企業であっても、中国国内の自然人の個人情報処理活動で製品・サービス提供す る場合や、中国国内の自然人について分析・評価等を行う場合には、同法が域外適用される。 

    (3)生体認証や医療健康、金融口座、行動履歴など「機微な個人情報」の処理は、特定の目的と十分 な必要性があり、かつ厳格な保護措置が取られている場合に限り行うことができる。 

    (4)国外への個人情報の提供は、①当局が実施する安全評価合格、②専門機関による認定、③当局が制 定する標準契約書の締結、のいずれかに加え、本人の同意が必要。 

    (5)重要情報インフラ運営者及び一定数量以上の個人情報を保有する処理者は、個人情報を国内に保 存しなければならず、国外への提供は安全審査を受けることが必要。 

    (6) 違法行為があり情状が深刻な場合、是正を命じ、違法所得を没収し、5 千万元(約 8 億円)以下 または前年の売上高の 5%以下の罰金を科し、関連事業の停止または事業是正の停止を命じ、関連事 業許可の取り消しを行うことができる。

    (7)その他、外国組織・個人のブラックリスト化、対抗措置、監視カメラ等顔認証設備の公共空間利用、 個人の権利強化(閲覧、訂正、削除、苦情処理)などを規定。

(注)2020 年 10 月に第一次草案、2021 年 4 月に第二次草案が出され、それぞれパブリックコメントを募集してい た。2021 年 11 月 1 日から施行予定。

金融当局による恒大集団に対する行政指導

  • 19 日、中国人民銀行及び銀行保険監督管理委員会は、不動産開発大手で、巨大な有利子負債を抱 えていることなどが指摘されている恒大集団の幹部に対して、行政指導を行ったことを公表した。公 表文では、不動産市場の安定・健全な発展に関する中央の戦略的手配の真摯な実行、経営の安定維持、 債務リスクの積極的解消、不動産市場と金融の安定維持についての指摘とともに、真実の情報を開示 し、虚偽情報を発信しないことも求めたことに言及があった。

国有資産監督管理委員会が重要技術研究の強化を推進

  • このほど、国務院国有資産監督管理委員会は拡大会議を開催し、目下の国有企業(中央企業)の運営 状況を分析・総括し、次の段階における重要事業を研究・発表した。国有企業(中央企業)が基礎研 究を推進し、工作機械、先端チップ、新材料、新エネルギー車などに関する重要なコア技術を獲得し、 サプライチェーンを強化するとともに、カーボンニュートラルを実現するためのロードマップを明 確にしてグリーンな発展を推進することなどを要求した。

(注)同委員会は、5月に「中央企業テクノロジーイノベーション成果推奨リスト」を公表するなど、国有企業のテ クノロジー面での自立自強実現、サプライチェーンの安全維持を目的とした措置を展開している。

国家市場監督管理総局が「ネットワーク不正当競争行為の禁止に関する規定」の意見募集を実施

  • 17 日、国家市場監督管理総局は、「ネットワーク不正当競争行為の禁止に関する規定」を意見募集 に付した。同規定は、反不正当競争法や電子商取引法等に基づいて制定されるものであり、インター ネットプラットフォームや当該プラットフォームを利用して商品・サービスの販売を行う者を念頭 に、これらの法律で禁止される行為を詳細化したものとなっている(注)。

(注)技術的手段を用いたアクセスブロックにより他の事業者の事業活動を妨害したり、データ、アルゴリズム等 の技術的手段を利用して差別的取引条件を設定する行為等。




社会保障関連

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『人口・計画生育法』を改訂

  • 20 日、全人代常務委員会は『人口・計画生育法』を改訂した(注 1)。人口構造を最適化し、人口の長 期的均衡発展の促進を目的とし、1組の夫婦が 3 人の子供を産むことができるようになり、そのた めの支援措置を導入する所謂「3 人っ子」政策を法制化したもの。財政・税収・保険・教育・住宅・ 就業などの支援措置を取って、生育・養育・教育の負担を軽減することを定めている(注 2)。

(注 1)これに先立ち、5 月 31 日に政治局会議にて「3 人っ子」政策の導入を含む「出生政策の最適化・人口の長期 均衡発展の促進に関する決定」を審議し、7 月 20 日に党中央・国務院から同決定を公表していた。 

(注 2)この他、「1 人っ子」政策実施中にそれを順守し、現在高齢となっている父母に対して、高齢者福祉、養老 サービスなどの面で必要な優先と配慮を与えることなどが盛り込まれた。




統計

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7 月直接投資~対外直接投資額(非金融類)は前年同期比 1.5%増(8 月 19 日商務部発表)
※商務部による過去データ更新のため、累計額及び伸び率は先月発表のデータと比較して異なることがある。
概況・マクロ経済政策
  • 23 日から、総書記は河北省承德市を視察している。機械林業場のほか、普寧寺、承徳博物館、福祉施設などを訪問した。(8/23、24 人中国 政府網)

  • 18~19 日、国務院総理は、河南省の鶴壁市、新郷市、鄭州市を視察し、災害復旧・再建専門会議を開き、被災者の生活保障をしっかり行 い、災害復旧と経済再建を加速することを強調した。(8/20 人民日報 p1)

財政
  • 19 日、財政部が発表した 1~7 月の一般公共予算財政収入は前年同期比 20%増の 13 兆 7,716 億元だった。うち、税収は前年同期比 20.9%増の 11 兆 9,112 億元だった。また、7 月末時点の新規地方債券発行額は 1 兆 8,833 億元となり、うち一般債券 5,287 億元、特別債券 1 兆 3,546 億元だった。(8/20 人民日報 p2)

金融・為替
  • このほど、中国人民銀行など 5 部門は『社債市場の改革開放の高品質な発展を促進することに関する指導意見』を発表し、経済循環や経済発展のモ デルチェンジと構造調整、新たな発展枠組の構築を支援する方針を示した。(8/19 人民日報 p10)

  • 20 日、中国人民銀行は最新の貸出基礎金利(ローンプライムレート)を発表、1 年物は 3.85%、5 年物以上は 4.65%に 16 カ月連続で据え置いた。(8/21 上海証券報 p.3)

  • 16 日、中国人民銀行は 1 年物 MLF(中期貸出制度)を通じて金融機関に 6,000 億元を供給し、合理的な流動性を保った。(8/19 経済日報 p7)

  • 19 日、中国人民銀行と中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)の関係部門の責任者は同日、不動産最大手、恒大集団の幹部と会談した。責任者は 次のように指摘した。恒大集団は不動産業界のトップ企業として、不動産市場の安定した健全な発展に関する中央の戦略手配を真剣に実行に移し、経 営安定の維持に努力し、債務リスクを積極的に解消し、不動産市場と金融の安定を維持しなければならない。法規に従い重大事項の真実の情報を開示 し、事実ではない情報を発信してはならない。(8/19 銀保監会)

  • 20 日、中国人民銀行は信用情報の収集、提供、検索に関する管理規定に違反したとして、中国郵政儲蓄銀行、華夏銀行、交通銀行、興業銀行に、財 政預金または資金を占有するなどの違反行為があったとして中国建設銀行に、5 行合計 1,541 万元の罰金を科した。(8/21 中国証券網)

貿易・海外直接投資
  • このほど、商務部が発表した『第 14 次五ヵ年計画の商務発展計画(2020~2025 年)』では、2020 年から 5 年以内に、中国が実際に導入する外資直 接投資が 7,000 億ドルに達するとともに、ハイテク産業への外資導入が全体に占める割合は 2020 年時点の 29.6%から 2025 年時点の 30%に引き上げる ことを目指す方針を示した。(8/18 国際商報 p3)

産業・企業(国有企業を含む)
  • 20 日、全人代常務委員会は『個人情報保護法案』を可決した。データの海外移転には国のインターネット情報部門・組織による安全評価を受けなけ ればならないとの規定の他、生体認証や医療、金融、行動歴などを機微な個人情報とし、その処理は、特定の目的と十分な必要性があり、かつ厳格な 保護措置が取られている場合に限り行うことができるとした。(8/20 中国人大網、新華社)

  • 18 日、国務院国有資産管理監督委員会は、東北地域の経済活性化に向け、中央企業と東北地域の国有企業の業務提携をスタートした。提携内容は、 産業チェーン連携の最適化や伝統産業のモデルチェンジ、コア技術の開発、企業管理レベルの向上、人材育成など 5 つの方面に及んでいる。(8/19 人民 日報 p10)

  • 17 日、市場監督管理総局は『ネットワーク不正当競争行為の禁止に関する規定(パブリックコメント募集稿)』を公開した。当該規定は、反不正当競 争法等の法令について、インターネット等を通じて商品やサービスを提供するプラットフォームや当該プラットフォーム上で事業を行う者を念頭に詳 細化したもの。技術的手段を通じたアクセスブロック等の他の事業者の事業活動の妨害や、データ、アルゴリズム等を利用した差別的取引条件の設定 を禁止する等の規定を設けている。(8/17 市場監督管理総局)

  • このほど、国務院国有企業改革指導小組は地域性の国有企業改革の第 2 弾となる遼寧省・瀋陽市、浙江省・杭州市、陕西省・西安市、山東省青島市 など 4 市の地方国有企業の総合改革案を承認したと発表した。(8/18 経済日報 p3)

  • 20 日、全人代常務委員会は「反外国制裁法」を香港にも適用する採決を見送った。(8/20 South China Morning Post)

  • 17 日、国家発展改革委員会報道官は、定例記者会見で今後の投資拡大に関する方針について以下のように答えた。製造業への投資の安定に向 けて多くの措置を取り、先端製造業への投資を支援し、政策メカニズムを通じて産業チェーンやサプライチェーン(調達・供給網)の弱点を補う。企 業が技術転換のための投資を増やすように指導する。グリーン投資と低炭素投資を促進する。コモディティ価格上昇の圧力を緩和し、川中・川下の製 造企業の投資意欲を高めるための包括的な措置を講じる。(8/17 国家発展改革委員会)

  • 18 日、商務部は『ライブコマースプラットフォーム管理及びサービス規範』についてパブリックコメント募集を開始した。業界標準を策定して管理 を強化する。(8/18 商務部)

  • 20 日、国家インターネット情報弁公室など政府 5 部門は、道路上の車両の種類や交通量などのデータの海外持ち出しを制限する『自動車データのセ キュリティ管理に関する若干の規定(試行)』を公布した。(8/20 国家インターネット情報弁公室) 

  • このほど、国務院国有資産監督管理委員会は、拡大会議を開催し、所管の国有企業(中央企業)に対し、産業用マザーマシン、ハイエンドチップ、 新材料、新エネルギー自動車などの重要なコア技術の研究を強化することなどを要求した。(8/19 国務院国有資産監督管理委員会)

農業・農村
  • 20 日、国務院弁公庁は、『農村の宅配・流通システム構築の加速に関する意見』を発表し、農村と都市部の双方向の物流インフラを整備し、農村消費 と農村振興を更に促進する方針を示した。(8/21 人民日報 p3)

労働・社会保障
  • 20 日、全人代常務委員会は「3 人っ子」政策の実施などを含む『人口・計画出産法』の改正案を可決した。(8/20 新華社)

  • 20 日、全人代常務委員会は『医師法』を制定した。医師の職場環境改善や生活保障等を目的とし、有給休暇の確保や医師の尊厳を侵害すること等を禁 じる。(8/20 新華社)

環境・エネルギー
  • 18 日、生態環境部部長は、記者会見で、中国は 2017 年から固形廃棄物の輸入を禁止し、2020 年末までに輸入をゼロにする目標を実現し、こ れまでに累計 1 億トンの輸入を減少させたことを明らかにした。また黄部長は、再生原料製品の輸入を厳格に規範化していくと述べた。(8/18 生態環境 部、8/19 人民日報 p6)

  • 20 日、国家林業草原局は、国務院記者会見で、第 14 次五ヵ年計画期間中の林業草原の保護について状況を説明し、2025 年に中国の森林カバー率を現 在の 23.04%から 24.1%に引き上げるともに、森林蓄積量を 190 億㎥に、草原の総合植物カバー率を 57%に、湿地保護率を 55%にする方針を明らかに した。(8/21 経済日報 p3)

科学技術・イノベーション
  • 17 日、全人代常務委員会第 30 回会議において李学勇・全人大教育科学文化衛生委員会主任委員が『科学技術進歩法』改正案について説明した。改正 案では「基礎研究」、「地域の科学技術革新」、「国際科学技術協力」の 3 つの章が新設され、それぞれの振興策を定めたほか、科学技術者へのインセン ティブを高め、イノベーション創造活力を喚起するための規定を設けている。(8/18 中国人大網、8/19 新華社)

  • 中国有人宇宙事業弁公室によると、「神舟 12 号」の飛行士 2 名は 20 日に約 6 時間をかけて 2 回目の船外活動のミッションを無事完了させた。(8/21 人 民日報 p1)

主要国との経済関係
  • 19 日、国家主席は、寧夏で開かれた第 5 回中国・アラブ諸国博覧会に祝賀のメッセージを送り、「中国はアラブ諸国の最大の貿易相手国の地 位を維持し続けており、アラブ諸国とともに質の高い『一帯一路』を建設し、双方の戦略的パートナシップをより高いレベルに引き上げたい」と強調 した。プロジェクト調印件数は 277 件に上り、契約ベースの投資・貿易総額は 1,566 億 7,000 万元だった。また博覧会では、低炭素エネルギー協力や デジタルエコノミー協力などを中心に各イベントが開催された。(8/20 人民日報 p1、8/23 国際商報 p1)

  • 19 日、商務部報道官は商務部定例記者会見にて「リトアニアはこのほど、中国・リトアニア両国の国交樹立コミュニケの精神に公然と背き、 中国の主権と領土保全を著しく損ない、既に互恵協力の実施に対する中国・リトアニア両国の企業の自信に深刻な影響を与えている」と表明した。ま た、中国国家鉄道集団傘下の「中鉄コンテナ運輸」が 8 月から 9 月上旬にかけて「中欧班列」(中国と欧州を結ぶ定期貨物列車)のリトアニアへの運行 取りやめを決めたとの報道に対しては、直接の回答を避けた。(8/19 商務部)

  • 18 日、国家主席はバルハム・イラク大統領と電話会談を行い、両国の経済関係について、「中国は、両国のエネルギーや電力、交通などの分 野での協力を拡大させるとともに、イラクの経済再建と社会発展を支援し、両国の戦略的パートナシップがより大きく発展することを推進していきた い」と述べた。(8/19 人民日報 p1)

  • 23 日、国家主席は、中国・上海協力機構(SCO)デジタル経済産業フォーラム、2021 中国国際スマート産業博覧会に祝賀書簡を寄せた。主席は「世界はまさにデジタル経済が急速に発展する時期に入っている。5G、人工知能(AI)、スマート都市などの新たな技術、新たな業態、新た なプラットフォームが勢いよく台頭し、世界の科学技術の革新、産業構造の調整、経済・社会の発展に深い影響を及ぼしている。中国はここ数年、デ ジタル産業化、産業デジタル化を積極的に推進し、デジタル技術が経済・社会の発展と深く融合するよう推し進めている」と指摘した。(8/23 新華 社)