消費の悪化レベル

2021/11/12
内需を反映する最も主要な指標は消費だが、このところ人々に懸念を抱かせる低迷ぶり が見られる。国家統計局が 9 月 15 日に公表したデータによると、8 月の社会…


内需を反映する最も主要な指標は消費だが、このところ人々に懸念を抱かせる低迷ぶり が見られる。
国家統計局が 9 月 15 日に公表したデータによると、8 月の社会消費財小売総額は 3 兆 4395 億元で、前年同期比 2.5%増だったが、7 月の前年同期比 8.5%増から大幅に下落した。『財新メディア』が近ごろ国内外にある 16 の市場研究機関に対して行った調査によると、 これらの機関が予想した 8 月の社会消費財小売総額の前年同期比増加幅の平均値は 6.5% で、事実の値は予想より 4 ポイントも低かった。
さらにとりわけ注意に値する点は、これより前に新型コロナウイルス感染症の感染者数 がリバウンドした期間にはオンライン商品の消費が高まったにもかかわらず、7 月の新型コ ロナウイルス感染症の再拡大の時には、オンライン商品の消費は非常に振るわなかったと いうことだ。8 月のオンライン商品小売総額の二年間の平均成長率は 10.6%で、7 月から 7.1 ポイントも下落した。これまでの経験から見ると、新型コロナウイルス感染症の感染者 数がリバウンドするたびに、通常はオフライン消費が抑えられる一方で、オンライン消費が 増加し、オンライン消費の成長率と全国の新型コロナウイルスの流行の深刻度はまさしく 関係していた。しかし、8 月のオンライン消費データでは明らかにその相関関係が弱まって いた。これは多くの人々にとって意外とも言える新たな状況だった。
今年の経済回復の状況を見ると、中国経済の投資、消費、対外貿易の輸出入という「トロ イカ」において、投資は政府と政策が強く関与できる分野であり、短期政策によって手早く顕著な効果を奏することができる。輸出は主に外部市場のニーズに依存し、世界各地の新型 コロナウイルスの流行レベルに差があるため、製造注文が中国に流れており、それが中国に よる輸出の急速な成長を刺激している。消費だけが主に市場に依存しているもので、政策に よる関与の効果は鮮明ではなく、且つ中国は消費に関与する政策をあまり多く打ち出して いない。つまり、消費は真の経済状態を垣間見ることができる確かな窓口であるということ だ。
万博新経済研究院の研究員である滕泰氏と張海氷氏は近ごろ、「走れば走るほど速度が落 ちる選手が、内部循環の大旗を翻した」と題する記事を発表したが、両氏曰く「走れば走る ほど速度が落ちる選手」とは現在の国内消費のことだ。同記事によると、表面的に現在の消 費成長の低下は新型コロナウイルスの予防・抑制の影響によるものだが、実際は市民所得の 成長の伸び悩み、悲観的な経済予測、また限界消費性向の低下などが、真に注目に値する根 深い原因なのだ。さらに電力不足が深刻化する中、供給(サプライサイト)の面でも不足と なり、中国経済が下降圧力にさらされていくと思われる。

(ソース:中国日本商会