在中国日本大使館経済部 中国経済週報(2021.2.25~2021.3.3)

2021/03/12

社会保障関連

人力資源社会保障部が記者会見を実施

  • 2 月 26 日、張紀南・人力資源社会保障部長らが記者会見を行った。概要以下の通り。(1)昨年、情勢が極めて複雑で厳しい状況の下、就業情勢は全体的には安定していた(注)。しかし、不安定要素が依然多く、雇用情勢は依然複雑で多くの試練に直面している。(2)養老年金の第三の柱である商業養老年金制度開始に向け、初歩的な構想を作成した。(3)法定退職年齢・年金支給開始時期の延長については、具体的な改革案の検討を行っている段階である。

(注)この評価の根拠として、記者会見では、2020 年は都市部新規就業者数 1,186 万人(毎年 1,300 万人以上であった 2016 年~2019 年と比べ減少したが、2020 年目標 900 万人以上は達成)、調査失業率 5.6%(年次平均として 2018 年の統計開始以降で最高値であったが、目標 6%前後より低い水準。月次データとしては、昨年 2 月に過去最高の6.2 に達したものの、昨年 12 月には 2019 年 12 月と同じ 5.2 まで降下)、大卒就職率 90%以上を達成、農民工総量は 2.856 億人で前年比 517 万人減も、貧困労働者数は 3,243 万人で前年比1割増などの状況を挙げた。

両会に際して各政府部門が記者会見を開催

工業信息化部

  • 3 月1日、肖亜慶・工業信息化部長は、記者会見において、レアアース管理条例(意見募集稿)について応答し、条例の公布は主にレアアースの長期的発展の戦略と市場の需要に基づくものであると述べ、概要以下のとおり指摘した。

(1)レアアースは悪性競争に陥って価格が低迷しており、貴重な資源を浪費している。(2)レアアース生産には多くの環境問題が存在している。

(3)レアアース資源の総合利用効率が悪く、長期的に見て枯渇の恐れがある。(4)レアアース産業の発展が低水準であり、日本企業に学ぶ必要がある。

中国銀保監会

  • 3 月 2 日、郭樹清・中国銀保監会主席は、記者会見にて以下のとおり指摘した(注 1)。(1)金融レバレッジ率、シャドーバンキングの規模が共に顕著に下降する等、金融リスク堅塁攻略戦は決定的な成果を得た。2020 年の不良債権処理は 3 兆元規模に上り、コロナの影響で今年も処理額は更に増え、来年も影響は続くが、適切に不良債権処理を進めることに自信も能力も有している(注 2)。

(2)不動産問題についても、不動産関連貸付の増加速度は他分野向け平均をこの 8 年で初めて下回る等徐々に改善しているが、不動産の金融化バブル化の傾向はまだ強く、多くの人々が引き続き投資・投機目的で購入しており、これは危険な行為である。

(3)欧米での大規模金融緩和により金融市場と実体経済に乖離が著しく、金融資産リスクが存在。中国にも海外の資金が流入しており、その規模と速度は目下管理可能な範囲内にとどまっているが、 (資金移動の)効果的な管理方法を引き続き研究中である。

(注 1)この他、アントグループのようなインターネットプラットフォームに対しては、他の金融機関と同一の業務については同じ規制に従って監督管理を行う、資本金の問題については移行期間を設けると発言。

(注 2) 2019 年の不良債権処理は 2.3 兆元規模。

科学技術部

  • 2 月 26 日、王志剛・科学技術部長らは記者会見において、第 13 次五カ年計画の成果

(注)述べた他、第 14 次五カ年計画では「科学技術イノベーションの戦略的サポートの作用を十分に発揮するべき」とし、以下の 5 点を示した。

(1)産業チェーンハイエンド化の推進について、核心技術のブレークスルーを加速し、人工知能・量子情報・生物育種等の領域で科学技術重大プロジェクトを実施する。 (2)実体経済の発展を支援し、科学技術成果の移転・応用を大規模に推進し、国家のオリジナルイノベーション地区等にハイテク産業を育成し、新業態・新モデルを発展させ、発展の新原動力を育成する。

(3)人民の生命・健康を保障し、重大な疾病の予防・治療・創薬、医療器械等の研究開発の応用を強化する。

(4)炭素中立目標の実現について、エネルギー資源の高効率利用、気候変動等の技術の難関突破と応用・普及を強力に推進する。

(5)イノベーションシステム全体の機能向上について、人材の活力を引き出すことを重点とし、新たな科学技術体制の改革をスタートさせる。

(注)同期間中、研究開発投資は約 1 兆 4,200 億元(2015 年)から約 2 兆 4,000 億元(2020 年)に増加、研究開発投資強度(※GDP 比)は 2020 年に約 2.4 になる見込みであり、基礎研究分野の経費は 2015 年から 2 倍近く増加し、2020 年に 1,500 億元を超える見込みであると発表。

対外経済関係

  • 両国首脳は、国際防疫協力について WHO による「ACT アクセラレータ」イニシアチブ

(注 2)の確定した多国間参照枠組みを支持すること、気候変動や生物多様性保護の分野に

おける意思疎通の強化することで一致した。

(注 1)2019 年 11 月、中国はパリ国際金融センターの建設を後押しするため、40 億ユーロのソブリンボンドを発行。(注 2)安全・有効・安価な新型コロナワクチン・治療・診断の開発・生産、公平なアクセスを加速する国際的枠組。

各種統計の公表

概況・マクロ経済政策

□中共中央弁公庁、国務院はこのほど、全国の交通ネットワーク整備を加速させるための「国家総合立体交通網計画網要」を公表した。同計画は、2035 年までに「全国 123 交通圏(都市部での 1 時間I内の通勤、周辺都市間の 2 時間以内の移動、国内の主要都市を 3 時間以内に結ぶ)」を実現し、便利でスムーズ、高効率で経済的、集約的でグリーン、スマートで先進的、安全性の高い国家総合立体交通ネットワークを完成させることを目標としている。(2/25 人民日報 p1)

□国家統計局が 2 月 28 日発表した「2020 年国民経済・社会発展統計公報」によると、中国の一人当たり GDP は前年比 2%増の 72,447 元となる見込み。国家統計局副局長・盛来運は 2020 年中国の一人当たり GDP は 2 年連続で 1 万米ドルを超え、世界経済に占める割合は 17%を超える見通しであると述べた。(2/28 新華網)

財政

□第13 期全国人民代表大会常務委員会第26 回会議は、印紙税法法案について審議を行った。劉昆・財政部長は法案について説明し、現行の税制枠組と税負担水準を維持しつつ、実際の状況に応じて関連措置を講じ、適度な税目簡素化と一部税率の引下げを行う考えを明らかにした。(3/1 経済日報p2)

金融・為替

□中国保険資産管理業協会によると、各保険資産管理機構及び保険私募ファンド管理人に投資・運営を委託した保険資金の残高が 2020 年は 9,758 億 4,400 万元に上り、前年同期比 71.6%増加した。(2/24 国際商報 p1)

□香港金融管理局、タイ中央銀行、アラブ首長国連邦中央銀行及び中国人民銀行デジタル通貨研究所はこのほど、多国間中央銀行通貨ブリッジの研究プロジェクト(m₋BDC Bridge)を共同で発起すると発表した。当該プロジェクトは、中央銀行デジタル通貨のクロスボーダー支払いの応用の模索を目指すもので、国際決済銀行香港イノベーションハブの支援を受けている。(2/24 中国人民銀行)

貿易・海外直接投資

□ドイツの自動車専門機構シュミット自動車専門研究会社がこのほど発表した「欧州電動自動車市場報告」によると、2020 年に欧州 18 の主要自動車市場で販売された中国産の電動自動車は 2 万 3,836 台に達し、伸び幅は2019 年同期と比べて13 倍以上増加し、市場シェア率は3.3%になった。(2/24 人民日報p16)

□ドイツ電子・電気業界協会(ZVBI)が 2 月 22 日発表したデータによると、2020 年ドイツ産電気製品の対中輸出額は前年同期比 6.5%増の 233 億ユーロであり、中国は再びドイツの最大の電気製品輸出先になった。また、ドイツ連邦統計局が同日発表したデータによると、中国とドイツの貿易総額は前年比 3%増の約2,121 億ユーロであり、中国は5 年連続でドイツの最大の貿易相手国となった。(2/24 国際商報p2)

□王文涛・商務部長は24 日、対外貿易と外資による対中投資の安定は今年の目標であると述べ、対外貿易の安定については、

①政策支援の強化、

②対外貿易の産業チェーン・サプライチェーンの安定の確保、

③ 企業の受注拡大への支援、

④対外貿易における新業態の育成など、外資による対中投資の安定については、

①開放拡大の断固たる続行、

②開放プラットフォームの積極かつ有効な利用、

③最適化されたビジネス環境の構築などの施策を明らかにした。(2/25 国際商報p1)

□アーンスト・ヤング(EY グループ)がこのほど発表した「2020 年中国海外投資概要一覧」によると、2020 年、中国全業による対外直接投資は安定しており、ドル換算で前年比3.3%増加した。中国企業による合併案件と金額は減少する傾向が続き、2020 年通年の合併総額は前年比 46.2%減の 464 億 1,000 万ドル、案件数は前年比18.5%減の530 件であったが、第 4 四半期の合併金額は前期から122%増と大幅に上昇した。(2/26 国際商報p1)

□中国商務部と韓国産業通商資源部は 2 月 26 日、オンラインで中韓自由貿易協定第 2 段階交渉首席代表会議を行った。双方は、ネガティブリスト方式の下でサービス・投資規則および市場開放の実施について踏み込んだ意見交換を行い、積極的な進展を得た。(3/1 国際商報p1)

産業・企業(国有企業を含む)

□王文涛・商務部長は 2 月 24 日、近代化の流通システムの構築について、

①流通ネットワーク整備の向上、

②流通インフラ整備の向上、

③流通企業の競争力の向上、

④流通の発展方式の向上、

⑤サプライチェ ーンの近代化水準の向上、

⑥内外貿易の一体化水準の向上など具体措置を講じていることを明らかにした。(2/25 国際商報p4)

□国家税務局の増値税領収書のデータによると、「第13 次五ヵ年計画」時期に貧困県指定を解除された832 県の企業売上高の年平均増加率は14.6%に達した。(2/25 中国政府網)

□国家信息中心は 2 月 19 日、「中国シェアリング経済発展報告(2021)」を発表し、2020 年のシェアリング経済の取引額は前年比2.9%増の3 兆3,773 億元であったとのデータを示した。(2/19 新華網)

□国家統計局が2 月28 日発表した2020 年国民経済と社会発展統計公報によると、2020 年の新規登録市場主体は2,502 万戸であり、一日当たりの新規登録企業は2.2 万戸、年末の市場主体総数は1.4 億戸に達した。(2/28 新華網)

■工業信息化部部長・肖亜慶は 3 月 1 日、中国のレアアース産業について、販売価格が廉価であること、環境問題を引き起こし現地住民からの反発があること、持続可能性を考慮しない無秩序な採掘や製錬を行い資源の総合的な利用効率が低いこと、高水準のレアアース生産品が少なく技術の革新や進歩をもたらさない等の問題を指摘するとともに、日本企業のレアアースハイエンド化の面での取り組みを参考にしたいと述べた。(3/1 工業信息化部)

□工業信息化部は 3 月 1 日、第 13 次五ヵ年計画中、中国の鉄鋼業界は 1.7 億の生産能力を圧縮し、生産トン当たりの二酸化炭素排出量は減少を続け、石炭消費量はトン当たり545 ㎏と世界平均の575 ㎏を下回っているが、総合的生産量はなお大きく、引き続き省エネと排出削減を鉄鋼業界の重要な目標とし、集約的な生産を発展させる方針を示した。(3/1 工業信息化部)

□工業信息化部は 3 月 1 日、第 13 次五カ年計画時期の半導体業界の発展はめざましく、半導体業界の推計によると、2020 年中国の集積回路売上は8,848 億元に達し、平均増加率は20%に達し、同時期の世界の集積回路産業の増加率の3 倍であったと述べるとともに、マイクロチップ産業や集積回路産業の発展を促進するため、企業の減税や基礎の強化と向上、生態環境やプラットフォーム建設、人材などの面で一連の措置を講じる方針を示した。(3/1 工業信息化部)

農業・農村

□中共中央弁公庁、国務院弁公庁はこのほど、「郷村の人材育成事業の振興の加速に関する意見」を発表し、各地方・各部門に実行を求めた。同意見では、郷村振興政策の一環として、農村の人材開発業務を強化する方針を示し、2025 年までに農村人材育成事業の振興に関する制度作りや政策枠組を構築する目標を掲げた。(2/24 人民日報p1)

□2 月25 日、国家郷村振興局(中央貧困扶助開発指導チーム弁公室に替わる組織)が発足した。胡春華・副総理は除幕式に出席し、貧困脱却の成果を守りつつ、農村の全面的振興をしっかり推進していくことを強調した。(2/26 人民日報p3)

□農業農村部はこのほど、食糧栽培面積を 17.5 億ムー(約 1 億 1,600 万ヘクタール)以上に維持する今年の目標を明らかにしたほか、春季生産において、食糧と大豆の生産量を安定させ、トウモロコシを増産するとの生産方針を示した。(2/25 人民日報p1)

労働・社会保障

□胡春華・国務院副総理兼国務院就業促進指導チームリーダーは 2 月 23 日、同チーム会議を開き、党中央と国務院の政策決定配・配置に照らし、新たな発展段階における就業促進任務を計画・実行し、就業優先政策を不断に強化しつつ、より充実し質の高い就業の実現に努めると強調した。(2/24 人民日報p4)

□人力社会保障部は2 月26 日、就業と社会保障に関する記者会見を開き、8,700 万人以上の出稼ぎ労働者が就職先で年越しをし、前年より4,000 万人近く増加したとのビッグデータのモニタリング結果を示したほか、定年年齢の引上げについて具体案を検討していることを明らかにした。(2/26 中国網)

□人力資源社会保障部は2 月26 日、2020 年平均の都市調査失業率は抑制目標である6%を下回る5.6%、大学等卒業者の就業率は予想を上回る 90%以上に達したとのデータを示した。また 2021 年の大学等卒業者は史上最多の909 万人になる見込みで、各種措置を講じて就業をサポートする方針を示した。(2/26 中国網)

環境・エネルギー

□全人代常務委員会弁公庁は 2 月 23 日、長江保護法(3 月 1 日施行)について記者会見を行い、同法は長江流域の生態環境の保護と修復の強化を目的とし、長江保護におけるセクショナリズム等の体制・メカニズムの問題に対し、系統観念を堅持し、計画、政策、重大事項の統一的計画と協調を強化し、系統的・全体的・共同的な長江保護を強化すると説明した。(2/24 人民日報 p8)

科学技術・イノベーション

□中国航天科技集団有限公司は「中国航天科技活動藍皮書(2020 年)」を発表し、2020 年、中国のロケット打上げ回数は 39 回、打ち上げられた衛星は 89 であり、2021 年の中国のロケット打上げ数は初めて 40 回を突破するとの見通しを示した。(2/24 新華社)

□国家統計局が2 月28 日発表した「2020 年国民経済・社会発展統計公報」によると、2020 年の研究開発(R&D)関連経費の支出は前年比 10.3%増の 2 兆 4,426 億元であり、GDP に対する比率は 2.4%であった。(2/28 新華網)

□科学技術部は 2 月 26 日、第 13 次五カ年計画期間中、中国の基礎研究経費が倍近く増加し、2020 年は1,500 億元を超えた見込みであると発表したほか、第 14 次五カ年計画に向けて以下の 5 点を打ち出した。

①産業チェーンハイエンド化の推進の問題をめぐり、一連の重要コア技術のブレークスルーを加速し、先端技術の計画を強化し、AI、量子情報、生物育種等の重要プロジェクトを実施する、

②実体経済の発展の支援をめぐり、科学技術成果の移転・応用を大規模に推進し、ハイテク産業クラスターや企業を育成する、

③国民の生命・健康の保障をめぐり、薬品などの研究開発応用のイノベーションを強化する、

④炭素排出ピークアウトと炭素中立目標の実現をめぐり、汚染の予防・抑制などの技術の難関攻略と応用普及を全力で推進する、

⑤イノベーションシステム全体の機能の向上をめぐり、人材のもつ活力を喚起することを重点として、新たな科学技術体制の改革をスタートする。(2/26 中国網)

要国との経済関係

□2 月25 日外交部報道官は、バイデン・米大統領が半導体などの調達に関する大統領令に署名したとの報道に関し、グローバル化の時代において各国の利益は深く融合しており、米国が市場経済の法則と自由貿易の法則を尊重し、世界の産業チェーン・サプライチェーンの安全、信頼と安定を擁護することを望むと述べた。(2/25 外交部)

■中国商務部は2 月24 日、CPTTP 加入に向け、国内において協定の条項等の検討を行うとともに、メンバーの一部と非公式な接触を通じ、技術的な問題について意思疎通を行い、合意の内容について理解を深めていると述べた。(2/24 国新網)

□世界銀行在中国代表処は 2 月 24 日、世界銀行取締役会は 2 億米ドルを湖南省の郷村振興のために提供することを批准したと明らかにした。(2/24 新華網)