在中国日本国大使館経済部 中国経済週報(2021.1.7~2021.1.14)

2021/01/18

マクロ経済関連
2020 年の貿易統計が公表
●14 日、海関総署は貿易統計を公表した。ドル建てでは、12 月の輸出は前年同月比18.1%(前月から▲3.0 ポイント)、輸入は 6.5%(+2.0 ポイント)、貿易収支は 1981 年以降で最大の黒字(782 億ドル)となった。2020 年通年では、輸出は前年比 3.6%、輸入は▲1.1%、貿易収支は 5,350 億ドルの黒字(前年比+26.9%)となった。うち、米国向けは輸出 7.9%、輸入 9.8%、貿易収支は 3,170 億ドルの黒字(前年比+7.2%)となった。(注 1)元建てでは、12 月の輸出は 10.9%、輸入は▲0.2%、貿易収支は 5,168 億元の黒字。2020 年通年では、輸出は前年比 4.0%、輸入は▲0.7%、貿易収支は 3 兆 7,096 億元の黒字。
(注 2)輸出の主な品目の動向:①紡績・織物(マスク等)29%、②医療機器 40%、②コンピュータ 12%。(注 3)輸入の主な品目の動向:①原油▲27%、②集積回路 15%、③大豆 12%。


●11 日、国家統計局は消費者物価(CPI)を公表した。12 月は、前年同月比で 0.2%(前月から+0.7)にプラス転換した。国家統計局は主な要因として、食品価格が前年同月比1.2%(前月から+3.2)とプラスに転じたこと、特に元旦・春節が近づき豚肉価格が▲ 1.3%(前月から+11.2)と、マイナス幅が大幅に縮小したことを挙げた。食品・エネルギーを除く「コア CPI」は、前年同月比 0.4%(前月から▲0.1)となった。


●2020 年通年の CPI 上昇率は前年比 2.5%となり、同年の政府活動報告における物価安定の目標(通年で前年比 3.5%前後)が達成された。
(注)2019 年 12 月のCPI は、豚肉価格上昇等の要因で 4.5%と高い上昇率であった。

●5 日、世界銀行は世界経済見通しを公表した。中国の予測値は、2020 年 2.0%、2021 年 7.9%とし、前回予測(昨年 10 月時点)から据え置きとなった。2020 年について、中国は数少ないプラス成長の国と予測されている(注 1)。2021 年について、新型コロナの影響の長期化を踏まえ、多くの国で前回予測(昨年 6 月時点)から下方修正となる中、中国は昨年 6 月時点からは上方修正(+1.0)、昨年 10 月時点からは据え置きとなった。
(注 1)主要国(G20)の中では、この他トルコがプラス成長(0.5%)と予測されている。
(注 2)他の主な予測値は以下のとおり(カッコ内は昨年 6 月時点からの修正幅)。
2020 年 世界経済▲4.3%(+0.9)、米国▲3.6%(+2.5)、ユーロ圏▲7.4%(+1.7)、日本▲5.3%(+0.8)。
2021 年 世界経済 4.0%(▲0.2)、米国 3.5%(▲0.5)、ユーロ圏 3.6%(▲0.9)、日本 2.3%(▲0.2)。

産業・環境関連
●9 日、商務部は「外国の法律及び措置の不当な域外適用を阻止する弁法」を公布した(当日より施行)。外国の法律及び措置の域外適用が、国際法と国際関係の基本準則に違反し、中国の企業等と第三国(地域)の企業等の正常な経済・貿易活動が妨げられた場合、以下の措置を講じることができると定めた。
(1)企業等に対し中国政府への報告義務を設ける。
(2)中国政府が「不当な域外適用の状況にある」と判断した場合は、中国の企業等がその他国の制裁法規等に従うことの禁止令を出すことができる。
(3)報告義務違反や禁止令に違反した場合に罰金を科すことができる。
●13 日、中国自動車工業協会は新車販売台数を発表した。12 月は前年同月比 6.4%(11 月から▲6.2 ポイント)と 9 カ月連続のプラス成長となった。2020 年通年では前年比▲ 1.9%の 2,531.1 万台と、小幅なマイナス成長にとどまった(注)。
●同協会は、2020 年の実績は「全体として予想を上回った」と総括し、要因として国・地方の政策支援、消費需要の力強い回復等を挙げた。2021 年の年間販売台数は前年比4%前後の 2,600 万台に達すると予測し、2017 年以来のプラス成長が見込めるとした。
(注)内訳は、商用車(トラック等)が前年比 18.7%の 513.3 万台、乗用車は▲6.5%の 2,017.8 万台。うち新エネ車は 10.9%の 136.7 万台と過去最高を記録した。
2020 年の宅配便取扱個数等が発表
●4 日、全国郵政業務会議(テレビ電話形式)が開催され、馬軍勝・国家郵政局局長が 2020 年の活動報告を行った。概要は以下のとおり。
(1)2020 年の宅配便取扱個数が前年比 30.8%増(830 億個)、業務収入が 16.7%増(8,750 億元)となり、新たに 20 万人以上の雇用を生み出した。
(2)2021 年の取扱個数は約 15%増、収入は約 12%増に達する見通し。
●4 日、北京市生態環境局は、2020 年の北京市の PM2.5 年間平均濃度が前年比 9.5%減(38μg(注 1)/㎥)となり、初めて 30μg 台まで低下したと発表した(注 2)。なお、2013 年の北京市の同濃度は 89.5μg/㎥と発表している。
(注 1)単位:マイクログラム。
(注 2)中国の PM2.5 の環境基準は年間平均濃度で 35μg/㎥(日本は同 15μg/㎥)。

コロナ関連
●9 日、国務院共同予防・抑制メカニズムは記者会見を行った。概要は以下のとおり。(1)全国民に無料接種を実施する方針(財源は医療保険基金余剰金と財政出動)。
(2)現時点で、ワクチンには英国の変異種への効果を確認済(注)。
(3)ワクチン接種について衛生健康委員会は専門家を組織し、8 つの技術方案を策定し、全国に 25,392 カ所の接種地点を設置した。
●13 日の同メカニズムの記者会見によると、現在までに累計 1,000 万回以上の新型コロナワクチン接種を行った。
(注)中国医学科学院医学実験動物研究所と中山大学ウイルス研究所は、中国国内で昨年 1-6 月に採取されたウイルスと英国の突然変異株について比較を行い、抗体が共にウイルスを中和できることを突き止めたと発表した。
●11 日、国家衛生健康委員会は、WHO の新型コロナウイルス感染症の起源調査団が 14 日に中国を訪問し、中国の科学者と共同でウイルス起源解明の科学研究を行うと発表した。続いて 13 日、同委員会は、調査団が武漢到着後に隔離を実施するほか、同期間中、中国側の科学者・医学専門家と調査団がテレビ電話でやり取りを行う方針を示した。

対外経済関係
「新時代における中国の国際開発協力」白書が発表
●10 日、国務院新聞弁公室は、対外援助に関する 7 年ぶりの白書となる「新時代における中国の国際開発協力」を発表した(注)。概要と前回発表との比較は以下のとおり。 (1)中国の国際開発の理念は人類運命共同体、「一帯一路」構想、SDGs 達成等にある。(2)2013-2018 年の対外援助年平均額は、2010-2012 年の年平均額に較べて 1.5 倍に増加した。他方で、援助実績に関する詳細なデータは依然として公表されなかった。
(注)記述対象は対外援助に限らず、中国が南南協力の枠内で実施する二国間・多国間の国際協力も含むとした。

各種統計の公表

概況・マクロ経済政策
財政
□国家税務総局は 5 日、第 13 次五カ年計画期間中における全国の新規納税市場主体の数は 5,745 万で、前期(第 12 次五カ年計画期間中)に比べて 83%増加したと述べた。(1/6 人民日報p10)
□劉昆・財政部部長は 5 日、インタビューの中で、第 13 次五カ年期間中に実施した減税・費用削減政策の効果が累計 7 兆 6,000 億元となり、うち 2020 年の効果が 2 兆 5,000 億元を超えるとの見通しを明らかにした。(1/6 経済日報 p2)
□国務院弁公庁はこのほど、国家発展改革委員会など 5 部門がまとめた都市部水道光熱費の見直しに関する政策意見を発表した。同意見は、不合理な費目を廃止し、料金システムを更に透明化させ、企業などの利用者の負担軽減を図る方針を示した。(1/7 経済日報p3)

金融・為替
□中国人民銀行、国家外国為替管理局はこのほど、海外融資を行う国内企業のマクロプルーデンス調整係数を 0.3 から 0.5 に引き上げると発表した。(1/6 経済日報p6)
□国家外国為替管理局はこのほど、2021 年の外国為替管理業務に関するテレビ会議を開き、国境を跨ぐ資本の異常な流動リスクへの防止強化を今年の重要取組の一つとすることを明らかにした。(1/7 経済日報p6)
□国家外国為替管理局によると、2020 年 12 月末の外貨準備高は 3 兆 2,165 億ドルで、前月末から380 億ドル(1.2%)増加した。(1/8 人民日報 p10)
□1 月 8 日、大連商品取引所は国内初の生きた豚の先物取引を開始した。(1/8 経済日報 p7)
□銀行保険監督管理委員会は 12 日、2020 年末までに全国の金融包摂による小・零細企業への貸付残高は 15 兆元以上となり、前年からの増加幅が 30%以上になったとのデータを示した。(1/12 新華網)
□中国人民銀行が 12 日に発表した 2020 年の金融統計データ報告によると、M2 残高は前年同期比10.1%増の 218 兆 6,800 億元となり、10 カ月連続で 2 桁の伸び幅を維持した。(1/13 経済日報)

貿易・海外直接投資
□商務部など 5 部門は 12 月 30 日、「再生鋼鉄原料(鉄スクラップ)」の輸入管理を規範化し、中国の鋼鉄産業の成長を推進するため、「再生鋼鉄原料」(GB/T39733-2020)の基準について、2021 年 1月1 日からの適用開始を発表し、基準を満たす鉄スクラップが自由に輸入できることを明確化した。(1/6 国際商報 p1)
□中国鉄道ハルビン局グループによると、2020 年、中国最大の陸上通関地である同グループ傘下の「満州里」駅経由で出入国した「中欧班列」(中国と欧州を結ぶ定期貨物列車)は、前年比 35.1%増の 3,548 本、貨物量は前年比 37.6%増の 32 万 4,310TEU となった。(1/7 国際商報 p1)
□中国通用技術グループによると、このほど、同グループ傘下の中国機械輸出入集団有限公司が投資したバングラデシュ初の超々臨界圧石炭火力発電所が稼働を開始した。(1/7 人民日報 p3)
□2021 年 1 月 1 日、中国とモーリシャスの自由貿易協定(FTA)が正式発効した。同協定は、中国とアフリカの国との間で締結される初めての協定。(1/8 経済日報 p4)
□商務部など 19 の部門はこのほど、対外コンサルティング・設計企業の質向上を促進し、対外請負企業への支援を更に強化していく方針を示した。(1/8 国際商報 p1)

産業・企業(国有企業を含む)
□交通運輸部はこのほど、2020 年末までに、大陸の 44 都市で軌道交通が開通し、営業路線は 233 路線、営業距離は 7,545 キロとなったことを明らかにした。(1/7 人民日報 p10)
□中国鋼鉄最大手の「宝武鋼鉄グループ」はこのほど、同社の 2020 年の粗鋼生産量が1億トンで、世界一となったと発表した。(1/7 経済日報 p12)
□馬軍勝・国家郵政局局長は 4 日、全国郵政業務会議で、2020 年度の宅配便取扱個数が前年比 30.8% 増の 830 億個、業務収入が同比 16.7%増の 8,750 億元だったと明らかにした他、2021 年度の宅配便取扱個数が 955 億個に達する見通しを示した。国家郵政局発展研究中心研究員は、宅配便業界成長の原動力として、オンライン消費が引き続き好調であるほか、2020 年には農村の宅配便が前年同期比 20%以上増の 300 億個以上となる等農村市場の拡大が顕著であったことを指摘した。2020 年末までに、宅配便の郷鎮カバー率は 98%以上、村へ直接宅配便を送れる割合は 50%以上になった。また、31 の省都の宅配便が全国に占める割合は 2015 年の 49.2%から 36.7%へと減少した。(1/8 人民日報p1、p6)
□商務部は 9 日、国務院の批准を経て「外国の法律と措置の不当な域外適用を遮断する弁法」を公布した(当日より施行)。外国の法律と措置の域外適用が国際法と国際関係の基本準則に違反し、中国公民、法人または他の組織と第三国(地域)及びその公民、法人または他の組織の正常な経済・貿易及び関連活動を禁止または制限する状況において、必要な対抗措置を講じることができるとした。(1/9、10 商務部)
□中国信息通信研究院は 11 日、2020 年の国内携帯電話市場全体の出荷量は前年比 20.8%減の 3 億790 万台、うち 5G 携帯の出荷量は 1 億 6,280 万台、国内ブランド携帯の出荷量は前年比 23.5%減の2 億 6,960 万台、スマートフォンの出荷台数は前年比 20.4%減の 2 億 9,570 万台であったと発表した。また、国内市場で発売された新機種は前年比 19.4%減の 462 種であり、うち 5G 携帯新機種が218 種、国内ブランド携帯新機種は前年比 18.7%減の 413 種、スマートフォンの新機種は前年比14.4%減の 363 種であった。(1/11 中国信息通信研究院、1/12 人民日報 p10)

農業・農村
□商務部など中央 12 部門はこのほど、自動車や家電製品、家具、飲食、農村市場の消費促進に向けた政策方針を打ち出した。(1/6 国際商報p1)

労働・社会保障
□住宅・城郷建設部など 10 部門はこのほど、「住宅団地・ビルの管理会社の業務改善・強化に関する意見」を発表し、住宅や団地、ビルを管理する「物業会社」による養老サービス市場への進出を奨励する方針を示した。(1/6 人民日報p4)
□全国応急管理業務会議によると、2020 年における労災事故の発生件数および労災による死亡人数は前年に比べてそれぞれ 15.5%と 8.3%減少し、史上最低記録を更新した。(1/8 経済日報p6)
□1 月 9 日、国務院共同予防・抑制メカニズムは、新型コロナウイルスワクチン接種に関する記者会見を行った。会見では、12 月 15 日以来新型コロナウイルスワクチンの重点グループへの接種を開始し、すでに累計 900 万回超の接種を展開しており、今後は接種対象を一般市民にまで拡大し、条件付き販売の開始後、企業が合意したワクチン価格と接種サービスなどのすべての費用について、医療保険基金余剰金と財政が共同で負担し、住民個人は費用を負担しない方針が示された。また、現在英国のワクチン変異はワクチンの効力に影響していないと主張した。その後、13 日に行われた同委員会記者会見では、同時点で累計 1,000 万回以上の同ワクチン接種が行われた旨発表している。(1/9 中国政府網他)
□人力資源社会保障部はこのほど、1 月 1 日より、投資範囲を境内に限られていた年金基金について、株式型養老商品または上場証券投資信託を通じて香港株に投資することができるよう拡大するとの通知を印刷・発表した。また、年金基金の投資権益類資産の比率の上限を 10%引き上げるとした。(1/11 経済日報p6)
□人力資源社会保障部は,12 月 28 日、高技能人材と専門技術人材の職業キャリアパスを通じた革新型、応用型、技能型の人材育成を強化するため、「高技能人材と専門技術人材の職業キャリアパスの一層の強化に関する実施意見」を発行した。(1/7 人力資源社会保障部)

環境・エネルギー
□国家林業草原局によると、中国は第13 次五カ年計画期間中、絶滅危惧種の保護事業の実施により、国土面積の 18%を占める各種自然保護地を設け、陸地生態系統の 90%を効果的に保護している。それにより、パンダなどの希少絶滅危惧種は回復に向けた成長を遂げている。(1/6 人民日報p14)
□北京市生態環境局によると、北京市における 2020 年のPM2.5 の平均濃度は 2013 年に比べて 57.5% 減の 1 立方メートル当たり 38 マイクログラムに達し、初めて 30 マイクログラム台を突破した。(1/6 人民日報 p14)
□中国の「三峡ダム水力発電所」は、2020 年の発電量が 1,118 億キロワット時となり、単一水力発電所の発電世界記録を更新した。(1/6 人民日報 p1)
□国家石油天然ガスパイプグループによると、中国とロシアの天然ガスパイプライン東ルートの南部区間における建設作業が 6 日に全面的に開始した。2025 年に完成する予定。供用開始後、1 日当たりの輸送量が 5,000 立方メートルを上回ると見込まれている。(1/7 経済日報 p6)

□発改委・科技部・工業信息化部・財政部・自然資源部・生態環境部等 10 部門は 11 日、「汚水資源化利用の推進に関する指導意見」を印刷・発表し、2025 年までに全国の汚水収集の効果が顕著に向上し、県城及び都市の汚水処理能力を現地経済・社会の発展需要を基本的に満たし、水環境の敏感な地区の汚水処理の基準とレベル引上げを基本的に実現し、全国の地級市以上の水不足の都市の再生水利用率を 25%以上、京津冀は 35%以上とし、工業用水の再利用・畜産や漁業養殖の排水資源化レベルの引上げ、汚水資源化利用政策システムと市場メカニズムを基本的に建立し、2035 年までに系統的、安全、環境保護、経済的な汚水資源化利用の局面を形成するという目標を明確にした。(1/11 発改委、1/12 経済日報)
□韓正・国務院副総理は 11 日、ビデオ形式で北京においてワンプラネットサミットに出席し、講話を発表した。(1/11 新華網)

科学技術・イノベーション
□2021 年全国科学技術活動会議が 5 日に開催された。王志剛・科学技術部部長は会議に出席し、2021 年の重要取組について手配を行った。王部長は会議で、中長期の科学技術イノベーション能力の向上に向けた系統的な配置を強化するとともに、中国独自のイノベーション能力をより重視することを強調した。(1/7 人民日報 p12)
□中国科学技術大学は 7 日、中国の科学研究チームが距離 4,600 キロの衛星・地上間量子鍵配送に成功し、世界初の量子通信網を構築したと発表した。(1/7 経済日報 p6)