在中国日本大使館経済部 中国経済週報(2021.3.4~2021.3.10)

2021/03/22

全人代の開幕

  • 5 日、全人代の開幕式で李克強・国務院総理が「政府活動報告」を実施した。GDP 成長率目標について、昨年は新型コロナの不確実性を踏まえ設定されなかったが、本年は

「6%以上」と設定された(注 1,2)。

  • 他の主要所期目標としては、都市部新規就業者数 1,100 万人以上(昨年の目標値から

+200 万人)、都市部調査失業率 5.5%前後(同▲0.5)、CPI 上昇率 3%前後(同▲0.5)等、2019 年と同等の目標設定が目立った。

(注 1)同日、発改委が全人代に提出した「国民経済社会発展報告」では、成長率目標設定の際に考慮された要因として以下を列挙:

①市場の期待を安定させること、

②2020 年の GDP ベースがかなり低かったことによる影響、

③経済運営の回復状況を考慮、

④最悪の事態に備える思考を堅持、

⑤感染症の影響に対処するため講じた様々な政策措置を徐々に通常に戻すことを考慮、

⑥各方面が力を集中して改革・革新と質の高い発展の推進に取り組むよう導く必要性。(注 (注 2)同日、財政部が全人代に提出した「予算報告」では、本年の財政赤字対 GDP 比は 3.2%前後(▲0.4)、財政赤字規模は 3 兆 5,700 億元(▲1,900 億元)とされた。逆算すると予算上の名目 GDP 成長率前提値は約 9.8%と試算される。また財政収入は増加率を 8.1%と見込む。

  • 5 日、第 14 次五カ年計画・2035 年ビジョン目標綱要(草案)が全人代に提出された。全 65 章のうち、2035 年ビジョン目標として明確に書き分けられたのは第 3 章第 1 節のみ(内容は昨年の五中全会建議と同一)であり、大部分は五カ年計画の内容となった(注)。
  • 第 14 次五カ年計画期間の主要指標として、経済発展・イノベーション駆動・民生福祉・グリーン生態・安全保障の 5 分野で計 20 の指標が設定された。うち成長率については、「経済の動きを合理的な範囲内に保ち、年度ごとに実際状況に応じて経済成長の所期目標を打ち出す」とされ、数値目標は設定されなかった。胡租才・発改委副主任は 8 日の全人代記者会見において、今後 5 年間は国内外の不確実性が大きく、具体的な数値目標を設定しないことで各種リスク・試練に柔軟に対応することが可能と説明した。
  • 主要指標(計 20)のうち、この他主なものは以下のとおり。

(1)労働生産性の伸びが GDP 成長率を上回る

(2)都市部調査失業率を 5.5%以下(2020 年は 5.2%)

(3)常住人口の都市化率を 65%に向上(同 60.6%)

(4)社会全体の研究開発(R&D)費を年平均 7%以上増加

(5)平均期待寿命を 1 歳向上(同 77.3 歳)

(6)基本養老保険カバー率を 95%に向上(同 91%)

(7)平均教育年数の 11.3 年への増加(同 10.8%)

(8)千人当たり医師数 3.2 人(同 2.9 人)

(9)食糧生産能力を 6.5 億トン以上に維持等

(注)前回の長期目標導入時(1996 年の「第 9 次五カ年計画・2010 年ビジョン目標綱要」)の構成も同様で、大部分は第 9 次五カ年計画の内容であった。当時は 2010 年に 2000 年比で GDP を倍増する目標が導入された。今般の 2035 年ビジョン目標では、昨年の五中全会における習総書記の説明で「2035 年までに GDP と一人当たり可処分所得を 2020 年比で倍増させることは完全に可能」と言及された部分については、明記されていない。

 

産業・科学技術関連

  • 3 日、国家市場監督管理総局は、社区における食品の共同購入において、ディディ、美団、ピンドゥオドゥオ等のインターネットプラットフォームの関連会社が、巨大な資金力を利用して不当な低価格での販売等を行い、「価格法」に違反したとして、同法に基づき 5 社に合計 650 万元の制裁金を課す行政処分を行った。
  • 2 日、世界知的所有権機関(WIPO)は、2020 年の国際特許出願件数(注)を発表した。国別では、①中国(6 万 8,720 件)、②米国(5 万 9,230 件)、③日本(5 万 520 件)、④韓国(2 万 60 件)、⑤ドイツ(1 万 8643 件)の順となり、中国が 2 年連続の首位となった。

(注)国際特許出願は、特許協力条約に基づき、1 つの出願書類を提出することで、加盟国全てに出願したことと同じ効果を与える出願制度。1978 年の発効以来米国が首位を維持していたが、2019 年に中国が初めて首位となった。

 

貿易関連

商務部長の記者会見(RCEP の正式承認等)

  • 8 日、王文涛・商務部長は、全人代記者会見において以下に言及した。

(1)中国政府は、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を既に正式に審査し、承認した。関係国が作業を加速し、ASEAN6 カ国と非 ASEAN3 カ国による批准という発効基準を満たすことを望む。批准が早ければ早いほど、各国国民への恩恵も早く得られる。国内では関係部門と技術面の準備作業(関税、原産地証明等を含む)を急ぎ、企業への説明や研修に注力している。

(2)中日韓 FTA 交渉を積極的に推進している。CPTPP への加盟に向け既に多くの前期業務を行い、非公式な接触を行っており、今後加盟に向けた業務を加速する。

1-2月の貿易統計が発表

  • 7 日、海関総署は 1-2 月の貿易統計を発表した。主な内容は以下のとおり。

(1)輸出は前年同期比+60.6%(参考:19 年同期比+32.8%)の 4,689 億ドルとなった。うち対日輸出は+47.7%(同+11.8%)、対米輸出は+87.3%(同+35.8%)。

(2)輸入は+22.2%(同+18.2%)の 3,656 億ドルとなった。うち対日輸入は+26.8%(同+14.4%)、対米輸入は+66.4%(同+70.8%)。

  • 海関総署は、1-2 月の貿易額が好調に推移した要因として以下を指摘した。

(1)欧米など主要経済国・地域の生産・消費活動の回復に伴って外需が増加した。また国内経済の復調により輸入が増加した。

(2)今年の春節期間は地元への帰省が自粛されたため、一部企業は生産を続け、例年は春節後にずれ込んでいた受注が通常どおり処理されたことも寄与した。

(注)主な輸出品目の動向:(マスク含む)織物+60.8%、医療機器+75.3%、パソコン+80.0%、携帯電話+59.4%、玩具+96.8% 等。主な輸入品目の動向:半導体 34.3%、化粧品・ヘアケア用品+62.8%、自動車+24.4% 等。

各種統計の公表

■:日本関連記事

概況・マクロ経済政策

□5 日、第 13 期全人代第4 回会議が開幕し、李克強・国務院総理が政府活動報告を発表した。2021 年の主要目標は以下のとおり。

①GDP 成長率 6%以上、

②都市部新規就業者数1,100 万人以上、都市部調査失業率5.5%前後、

③CPI 伸び率3%前後、

④輸出入の安定・質向上、国際収支の安定、

⑤国民所得の安定的上昇、

⑥生態環境の一層の改善、単位GDP 当たりエネルギー使用量の約 3%減少、主要排出量の持続的減少、⑦ 食糧生産6.5 億トン以上。(3/8 国際商報p1)

□5 日、「第14 次五カ年計画及び2035 年ビジョン目標綱要(草案)」が提出された。2035 年を展望し社会主義現代化を基本的に実現するという目標とともに、第 14 次五カ年計画時期の経済・社会の主な目標として以下が示された。

①経済発展は新たな成果を得る、

②改革開放が新たな歩みを踏み出す、

③社会文明の程度の新たな引き上げ、

④生態文明建設の新たな進歩、

⑤民生福祉が新たな水準に到達する、

⑥国家ガバナンスの効果の新たな向上。また、経済分野3 項目、イノベーション3 項目、民生・福祉7 項目、生態建設5 項目の指標のほか、初めて取り入れられた安全保障について食糧とエネルギーの2 項目の指標が示された。(3/5 新華網、3/5 国家発展改革委員会)

□国家発展改革委員会は5 日、「2020 年度国民経済・社会発展計画の執行状況と 2021 年度国民経済・社会発展計画についての報告」を全人代に提出し、2021 年の任務として以下 10 項目を挙げた。

①感染症対策、

②科学技術の自立自強の加速、

③内需拡大戦略を実施し、強大な国内市場の形成を加速、

④重点分野とカギとなる部分の改革を深化させ、効果的な市場と機能的な政府のより良い連携を促す、

⑤ハイレベルな対外開放の一層の推進、

⑥郷村振興を全面的に推し進める、

⑦地域間調和発展の推進に注力し、国土空間の配置・基盤体系を最適化する、

⑧グリーン低炭素発展の推進の加速、

⑨民生福祉の増進、⑩発展と安全を統一的に考慮し、重点分野のリスクを防止・解消する。(3/6 人民網)

□李克強・国務院総理は 6 日、第 13 期全人代第 4 回会議の広西代表団の審議に参加し、北部湾等の地域的優位性を発揮し、沿海・国境沿いの開放水準を高め、国際協力を拡大、深化させる必要がある等と述べた。(3/6 中国政府網)

□全国春季農業生産活動テレビ会議が2 日に北京で開催された。李克強・国務院総理は会議に対し、今春における農地管理と農業生産の準備作業および重大な動物疫病や病害虫対策をしっかり行い、国家食糧安全と重要農産物・副産物の有効な供給の保障に全力をあげるよう指示した。(3/3 人民日報p1)

□何立峰・国家発展改革委員会主任は5 日、第13 期全人代第4 回会議オンライン記者会見にて、1-2 月の経済情勢等から今年は安定成長が期待されること、困難の多い第三次産業、特に中小企業に対する支援に 注力すること等を述べた。また、今後の発展改革任務の重点として以下を挙げた。

①円滑な経済の促進、

②国内消費の促進(所得向上とともに、供給サイドが廉価で質の良い、農村・都市の消費者のニーズに合った商品・サービスを提供する)、

③イノベーション駆動の促進(エネルギー、食糧、産業チェーン・サプライチェーンの長期的安全に影響するボトルネックの解消等)、

④改革の深化(行政簡素化改革の深化等)、

⑤ 開放の拡大(海南自由貿易港は2025 年までに大きな進展を得る等)。(3/5 発展改革委員会)

財政

□財政部は 5 日、「2020 年度中央・地方予算の執行状況及び 2021 年度中央・地方予算案についての報告」 を全人代に提出した。同案によると、2021 年の全国の一般公共予算収入は 8.1%増の 19 兆 7,650 億元、一般公共支出は1.8%増の 25 兆120 億元であり、財政赤字は前年より1,900 億元減の3 兆5,700 億元。また、中央から地方への移転支出は実質額で前年比7.8%増の8 兆3,370 億元としている。(3/5 新華網)

□第 13 期全人代財政経済委員会は7 日午後、2021 年予算案について審議を行い、2021 年中央予算案を承認するとともに、2021 年度の地方債残高の限度額(15 兆 1,089 億 2,200 万元)と特別債務残高の限度額(18 兆1,685 億800 万元)も承認するよう第13 期全人代第4 回会議に提言した。(3/8 経済日報p2)

□劉昆・財政部長は 5 日、第 13 期全人代第 4 回会議オンライン記者会見にて、2021 年の予算計画の特徴として以下を指摘した。

①財政政策は基本的に安定を維持し、急転換しない、

②今後数年の財政政策との連結に努め、余裕を持たせる、

③財政リスクの解消。(3/5 財政部)

金融・為替

□BRICS 開発銀行はこのほど、ポストコロナの経済再建を支援する目的で、中国に2 回目となる70 億元の緊急援助融資を提供することを明らかにした。(3/3 国際商報p1)

□国家外貨管理局が7 日発表した2 月末の外貨準備高は、前月末から57 億ドル(0.18%)減少し3 兆 2,050億ドルとなり、3 カ月連続で3 兆2,000 億ドルを超えた。(3/8 経済日報 p10)

4.貿易・海外直接投資

□中国家電製品協会の最新データによると、2020 年の中国の家電業界の輸出額は累計 837 億ドル(過去最高水準)、前年比 18%増加(伸び幅は直近十数年の最高値を更新)となった。(3/4 経済日報p11)

■税関総署が7 日発表したデータによれば、1-2 月の貿易総額は前年同期比32.2%増の5 兆4,400 億元(米ドルで前年同期比41.2%増、2019 年同期比26%増の8,344 億8,960 万ドル)となった。うち、輸出は50.1% 増の 3 兆 600 億元(米ドルで前年同期比 60.6%増、2019 年同期比 32.8%増の 4,688 億 7,400 万ドル)、輸入は14.5%増の2 兆3,800 億元(米ドルで前年同期比 22.2%増、2019 年同期比18.2%増の 3,656 億 1,550 万ドル)、貿易収支は 6,758 億 6,000 万元の黒字となった(前年同期は 433 億元の赤字)。日本向けの輸出入は 3,492 億 3,000 万元(前年同期比 27.4%増)、米ドルで前年同期比 35.8増、2019 年同期比 13.2%増の535 億6,000 万ドルとなった。(3/7 海関総署、3/8 経済日報p10)

■商務部部長・王文涛は8 日、第13 期全人代第4 回会議オンライン記者会見において、党中央・国務院はRCEP 協定専門の作業メカニズムを設立し、中国はすでにRCEP 協定を正式に承認しており、関係国が審査・承認のプロセスを加速することを希望していると述べた。(3/8 中国網)

産業・企業(国有企業を含む)

□工業信息化部など関係省庁の試算によると、2025 年に中国の高齢者用品の市場は5 兆元を超える規模に達する見通し。(3/3 人民日報p17)

□住宅・城郷建設部はこのほど、2020 年、全国の都市部老朽住宅団地の改造が進められ、新規改造団地の数は 4 万 300 か所、約 736 万世帯に裨益したと明らかにした。また第 14 次五ヵ年計画期間中における老朽住宅団地改造の市場は約 1 兆元の規模となるとの見通しを示した。(3/4 経済日報p11)

□市場監督管理総局、商務部、文化観光部はこのほど、飲食ロス対策についての施策文書を発表し、外食産業や出前サービス、観光地外食店などが食品ロス防止に取り込むため、対策の基準制定を進める方針を示した。(3/4 経済日報 p3)

□中国鉄道上海局集団有限公司はこのほど、2021 年に長江デルタ鉄道の建設への投資規模は750 億元を超え、新たに開通する区間路線は833 キロメートルに達するとの見通しを示した。(3/8 人民日報p5)

□国家市場監督管理総局は、社区の共同購入(食品)において、インターネットプラットフォーム企業5 社が巨大な資金力を利用して不当な低価格での販売等を行ったとして、価格法に基づき、合計 650 万元の制裁金を課す行政処分を行った(3/3 国家市場監督管理総局)

□工業信息化部部長・肖亜慶は 8 日、第 13 期全人代第 4 回会議オンライン記者会見において、製造業の国民経済における地位を保ち質の高い発展を実現するため、以下の方面に注力すると述べた。

①完全な産業チェーンを維持しボトルネックを補う、

②質の高い発展(高度化、スマート化、グリーン化)、

③供給側構造改革(伝統産業の近代化技術改造と 5G、新材料、新装備、通信技術、マイクロチップ等戦略的新興産業の発展)、

④産業クラスター発展の一層の奨励、

⑤リーディングカンパニー発展の奨励、

⑥国内・国際2 つの市場と資源を利用し、改革開放を堅持する。(3/8 中国網)

農業・農村

□劉煥鑫・農業農村部副部長は3 日、全国高規格農地建設促進テレビ会議で、今年667 万ヘクタールの高規格耕地の建設目標を断固として達成するよう求めた。(3/4 経済日報p3)

□農村水利・水力発電活動会議が2 日に北京で開催された。会議は、2021 年現在、農村地域における水道水の普及率が83%に達したことを明らかにした・また、2021 年、水利・水力発電分野における重点方針として以下を挙げた。

①農村地域の供水保障事業の実施、供水保障レベルの向上、

②灌漑エリアの近代化改造の実施、食糧安全保障能力の向上、

③農村のグリーン水力発電の全面的促進、河川の生態環境の持続的な修復・改善など。(3/4 経済日報p3)

□唐仁建・農業農村部長は 5 日、第 13 期全人代第 4 回会議オンライン記者会見にて、関連部門とともに約10 年かけて種子業の質の高い発展をめざす行動計画を検討していると述べた。家畜、海洋資源、農作物の種子バンクを設置・強化(150 万種子を集めた農作物の種子バンクは9 月に完成予定)、種苗の創新技術、大量増殖技術というコア技術を開発する等の方針を示した。(3/5 農業農村部)

労働・社会保障

□習近平・国家主席は6 日、第13 期全人代第4 回会議の医薬衛生界・教育界代表団の審議に参加し、国民健康保障の発展を優先的な戦略と位置づけ、質が優れバランスの取れた基本的公共教育サービスシステムを構築すべきと強調した。(3/7 人民日報p1)

□発改委は8 日、第13 期全人代第4 回会議オンライン記者会見にて、第14 次五ヵ年計画期、現在2 億人以上の都市戸籍を未取得の農業移転人口の市民化の問題について、戸籍取得の条件を緩和し、市街区の人口300 万以上の都市では戸籍取得の制限を全面的に撤廃し、同 300 万から500 万の都市では全面的に緩和し、500 万以上の超大都市ではポイント制の戸籍取得政策を整備する等の方針を示した。(3/8 中国網)

□人力資源社会保障部は5 日、公式ウェブサイトにおいて、人力資源社会保障分野における政府活動報告等の要点を公表した。第14 次五ヵ年計画時期の主要目標・任務として、都市部調査失業率5.5以内にコントロールすること、雇用優先戦略を実施すること、低収入層の収入を高め、中等収入層を拡大すること、基本養老保険の加入率を 95%まで高めること等を挙げた。2021 年の主要目標・指標として都市部新規就業者数1,100 万人以上や都市部調査失業率5.5%前後を挙げつつ、2021 年の実施事項として、現在の雇用の安定を図ること、新就業形態に対する労災保険の試行的適用を加速すること、就業地での社会保険加入に係る戸籍制限を解放すること、大規模かつ重層的な職業技能訓練を展開すること等を実施するとした。(3/5 人力資源社会保障部HP)

環境・エネルギー

□関連データによると、2020 年、中国の太陽光発電設備の新規導入規模は48.2GW で、前年比約 60%増加し、太陽光発電設備の累計容量は 253GW に達した。王勃華・中国太陽光業界協会副理事長兼事務局長は、2020 年、中国の太陽光発電の累計設備容量は 6 年連続で世界一になったと表明した。(3/3 人民日報p17)

□環境保護部が2 日発表したデータによると、2020 年に全国の生態環境の質は引き続き改善した。全国の337 地級市以上の都市平均で、大気の質が「優良」だった日の割合は平均87%であり、前年比5 ポイント上昇し、202 都市が基準値をクリアした。また、PM2.5 の年間平均濃度は前年比 8.3%減の33 ㎍/㎥、地表水質Ⅲ類以上の水比率は前年比 8.5 ポイント増の 83.4%、単位 GDP 当たりの二酸化炭素排出量は前年、2015 年と比較しそれぞれ1%、18.8%低下し、第13 次五カ年計画の目標である18%低下を達成した。(3/3 経済日報p2)

□中国石炭工業協会が 3 日発表した「2020 年石炭業界発展年度報告」によると、2020 年の中国の石炭生産量は前年比 1.4%増の 39 億トンであった。また、第 13 次五カ年計画期間中、5,500 の石炭炭鉱が廃鉱になり、年 10 億トン以上の生産能力を縮小し、国務院による石炭過剰能力の除去目標を上回って達成した。

第 14 次五カ年計画期中は、国内の石炭年間生産量を 41 億トン以内、石炭年間消費量を 42 億トン以内に抑制し、同期末までに炭鉱数を 2020 年末の 4,700 カ所から 4,000 カ所にまで削減すると同時に、スマート化石炭炭鉱を1,000 カ所以上、年間生産量120 万トン以上の大型近代化炭鉱120 カ所を建設し、企業の併合と再編を進める等の目標を示した。(3/4 新華網)

科学技術・イノベーション

□世界知的所有権機関(WIPO)が 2 日発表した報告によると、中国が出願した国際特許出願数は前年比16.1%増の 68,720 件に達し首位になった。企業ランキングでは、ファーウェイ技術有限公司の出願数が5,464 件で4 年連続1 位となった。教育機関では、深圳大学(第3 位)、清華大学(第4 位)、浙江大学(第5位)等、上位 10 位内に中国の5 校がランクインした。(3/2 新華網)

□教育部は2020 年度一般大学本科専攻の審査結果を発表し37 の新たな専攻が専攻目録に加わったた。南開大学・北京理工大学等は暗号科学技術専攻,清華大学はインテリジェントエンジニアリング・創意設計専攻,中国科学技術大学は量子情報科学専攻,西北工業大学がフレキシブルエレクトロニクス専攻などを立ち上げる。(3/3 科技日報p3)

□中国航天科技集団公司(CASC)の下部組織である中国キャリアロケット技術研究院は3 日、す固体燃料ロケット「捷竜3 号」プロジェクトを立ち上げると発表。2022 年に初の飛行試験の予定。需要の高まる商業衛星コンステレーション打ち上げに対応する多衛星発射能力や,コスト低減で市場競争力の確保を目指すという。また打ち上げ準備期間を短縮し,海上・陸上双方の打上にも適応する。(3/3 中国新聞社)

□科学技術部部長・王志剛は7 日、全国政協第13 期全国委員会第4 回会議の民盟界別協商会議において、中国の社会全体の研究開発費に占める基礎研究の割合が、2020 年に初めて6%を上回ったと述べた。また第13 次五カ年計画期間中の中央財政の基礎研究費への拠出は倍増し、物質科学・量子科学・ナノサイエンス・生命科学等の分野で重要なオリジナルの成果があったと紹介した。(3/8 新華網)

□科学技術部部長・王志鋼は 8 日、第 13 期全人代第 4 回会議オンライン記者会見において、基礎研究の今後の発展のための取り組みとして以下を指摘した。

①基礎研究の 10 年行動計画を制定し、系統的に計画・配置する。

②第 14 次五ヵ年計画期間に基礎研究が科学研究費に占める割合を 2020 年の 6.16%から8%程度にまで引き上げる。

③基礎研究の国家戦略による方向付けと自由な探索という「2 本の脚」により推し進める。

④青年科学技術者が基礎研究に取り組むことを奨励する。

⑤基礎研究分野センターとプラットフォームの建設。(3/8 中国網)

□中露両国は9 日、「国際月探査ステーション建設に関する覚書」に署名した。両国は月ステーションの計画、設計、研究開発、運営等の面で緊密な協力を展開し、関心ある全ての国・パートナーに開放し、平和探査と宇宙利用を推進する。月ステーションでは月表面探査・利用、月を拠点にした観測・基礎科学実験等,多目的な研究活動を行う。両国はまた、中国の「嫦娥7 号」月極地探査ミッションとロシアの「ルナ26 号」ミッションを協力実施する協定、月・深宇宙探査データセンター建設に関する協力協定に調印した。(3/8 人民網)

主要国との経済関係

□王毅・国務委員兼外交部長は7 日、第 13 期全人代第4 回会議オンライン記者会見にて、「多国間主義は長期にわたる中国の揺るぎない選択で、時間の流れと物事の変遷により変化することは一切ない」と中国の立場を強調したほか、中米関係について、両国の協力に向けて米側が設けた不合理な制限などを早急に解除するよう呼びかけた。(3/8 経済日報p4)

□劉鶴・国務院副総理は3 日、招待に応じマウラー・スイス連邦参事兼財務相と会談し、金融などの分野における実務協力について意見を交わした。劉副総理は、「中国とスイスの関係は相互尊重と平等互恵の協力の手本である」、「スイスとの金融協力の前途は広く、両国と両国人民の福祉増進に役立つ」等と述べた。(3/3 新華網)