カメラの検品はレンズの汚れと鏡胴のガタ、電源とシャッターの反応を一台ずつ積む
検査カメラ、レンズ表面の汚れと鏡胴のガタ、反応を一台ずつ確かめる
カメラの検品は、外装の出来だけを追うより、レンズガラス面の汚れと鏡胴のガタ、電源とシャッターを押した時の反応を分けて、並んだ一台ずつに判定を積むほうが実態に寄ります。
一台ずつ、押して試す箇所を決める
検品を任された品は、手に取って作動を試すまで、表面には出てこない問題を抱えています。外観が整っていても、像を結ぶ部分の汚れと、鏡胴の回転のガタ、電源とレリーズを押した返事が揃わない個体が混ざります。だから検品では、傷や汚れの追いまわしだけでなく、この三か所を並べて見ます。どれかひとつでも軸がずれていれば、写真には写らないまま出荷されます。
見立ての軸は、並んだ順に持ち越さず、一台ごとに引き直します。ズームの環の引っ掛かりや、レリーズのクリックの深さは、同じ型でも個体差が出るため、前の一台の判定を次の一台へ流すと、ずれた基準がロット全体へ広がってしまいます。基準は目の前の個体で都度確かめます。
レンズ表面の汚れは、光の角度をずらして出す
レンズの汚れは、当てる光の方向で姿を変えます。油膜や微細な粉塵は前面硝子の面に薄く広がり、正面の光では見落とします。機体を傾けて反射を表面に滑らせると、曇りと点の汚れが浮かびます。指紋と粉塵では性質が違い、拭きで落ちるか、落ちずに不良として残すかで扱いが分かれます。
拭いて取れる汚れは出荷の線に戻せますが、取れないものは別扱いにします。表面と中の見分けはここでつき、外側の問題として始末できるか、それとも組みの工程へ戻すかで、行き先が変わります。
鏡胴のガタと、回し手のざらつきを手で取る
鏡胴は部品が滑り合う組立品で、ガタとざらつきが手に出ます。焦点環を回したとき特定の位置だけ重くなるか、少し揺すって遊びに過不足がないかを見ます。広角から望遠へ回る手の感触は、目では判別しにくく、掌で読み取ります。許容の範囲は実物の見本で揃え、同じ物差しを次の台へ渡します。
どこまでを許すかは言葉だけだと人に分かれます。だから現場では、始める前に一台を手元に置き、線を揃えてから回し始めます。揃えた手触りが、次の一台の合否を支えます。
シャッターと電源、押して返しを一台ずつ確かめる
カメラは顔を見て預けられません。電源が一回押しで入るか、レリーズを切ったときに音が正しい間隔で返るか、表示が立ち上がるか、この三点の作動を並んだ一台ずつで確かめます。ロットを詰めてから死んだ一台を後で拾うと、返送と再点検が倍になります。だから反応の確認を検査の手前へ置き、引っ掛かった個体をその場で可視化して、手戻りの総数を落とします。
電源が入りにくい個体は、直ちに電気の不良として扱いません。筐体の機械的な噛み合わせで引っかかり、組みを一度直せば戻る例もあります。検品員の役割は直したことではなく、症状を分けて次の工程へ渡す点にあります。どこへ返すかを決める手が、後工程の時間を決めます。
見つける検査と記録を、出荷までの線に乗せる
検査カメラの現場では、一台ずつ押した結果を、数値と写真で一枚の報告に落とします。どの台で汚れが出たか、どの位置でガタが引っかかり、電源の反応がどうだったか。一台ごとの報告が一枚にまとまって手元に届けば、離れた拠点にいても、その台を出すか留めるかを同じ物差しで判定できます。検品は、合否を工場に一方的に課す場ではなく、出てきた症状を種類ごとに仕分け、次の工程へ引き渡していく仕事として、出荷の流れに組み込まれています。
確認する台数と、現地に置く日数は連動して、一か所でまとめるか分けるかで、段取りの形は変わります。決める段取りは、その置き方ひとつで前へ進みます。検査の班をいくつ設けるかが固まれば、こちらから段取りを組み直してご提案します。

















