検針の質は始業前の点検で決まる、試験片と折針の回収を毎日そろえる運用
検針を回す前に、始業点検と試験片と折針の行を揃える
検針は機械を通せば済む仕事に見えますが、検査の質は始業前の準備で決まります。点検の順、感度を確かめる合わせ、折れた針の回収。三つの行を毎日そろえる運用を記します。
動かす前に書く始業点検
針を探る機械は、電源を入れてすぐ品を通せるものではありません。始業のたびに、ベルトの張り、レーンの欠け、警報の鳴り方を一行ずつ確かめ、誰がいつ見たかを紙に残します。この紙が無い日は、機械が正しいのか通した品が正しいのか、後で切り分けられません。
点検の順番を揃えておくと、交替で人が変わっても同じ所作に収まります。機械任せに見えて、検査の土台は人の手つきです。
見本品を合わせて感度を読む
機械が針を拾う力があるか、空気の音だけでは分かりません。決められた厚みの中に小さな金物と樹脂の片を埋めた合わせ片を、始業と途中と終業に一度ずつ通します。拾うべきものを拾えているか、拾わぬべきものに鳴らないか、両方の線を確認します。
鳴り方が昨日と違う日は、布の厚みや湿りのせいにせず、感度の目盛りそのものを疑います。疑った痕も紙に残して、次便と比較できる形にしておきます。
折針の回収を数で締める
縫いの工程で折れた針は、本体に残るより先に折針として出てきます。折れた片をその場で回収し、前回の本数と照らして欠けていないか合わせるのが、現場の決まりごとです。欠けた片が見つからない品は、例え外観が整っていても通せません。
回収を数で締める理由は、見えない小さな片が口へ運ぶ品に残る危険を、どの検査よりも重く見るためです。
通していない個体を数から外す
同じロットでも、機械をくぐっていない個体が混じれば、合格の数は成り立ちません。通した印と通していない印を分けて置き、数が合わぬまま封を切る手順を最初から禁じます。通していない残りは、どれだけ整っていても出荷の側へは進めません。
この運用を緩めると、届いた先で初めて鳴る事故に育ちます。数合わせは、機械の合格と箱の合格を同じ帳に載せてこそ閉じます。
鳴った品を開ける作法
機械が鳴ったからといって、捨てて構う品ではありません。鳴った箇所を絞って解き、布の中に残った片を探り、取り終えたら同じ機械をもう一度通します。ほどき方に人の癖が出るほど、新しい品は傷つきやすくなりますから、開ける順番は用紙に記して現場に置いておきます。
反応の回数が同じ区画に寄るなら、縫う側へ原因を返す合図です。拾って終わりにせず、作る段まで一行で結びます。
合わせる枚数と点検の回数が揃えば、その検査に置く手間の重さも同じ帳の上ではかります。
一日の初めに立ち会う形で点検から始めたいなら、機械の機種と通す布の種類を書いて渡してもらえれば、初手の段取りは決まります。

















