バッグの検品は工程内のチェックの置き場所で見え方が変わる
バッグの検品工場は工程内のチェックの置き場所から見る
完成品を並べて落とすだけでは、縫い込まれた不良はもう戻せない。工場のどの段に目を置くかで見え方が変わる、作っている途中での確認の考え方をまとめた。
落とすだけでは遅い理由
バッグの不良には、出来上がった品の表面からは分からない種類のものがある。持ち手の付け根の返し縫い、裏地の下で折り込まれた縫い代、金具を止める革の厚み。こうした場所は、縫い上がって内枠が閉じた時点で、もう目が届かなくなる。完成品だけを並べて抜き出すやり方では、見つけたとしても原因が遡れない。だから検品工場の力量は、最後の選別ではなく、途中のどの位置に確認を置くかで決まってくる。
点数をこなす速さも同じことだ。途中で拾って直す方が、完成後に解体して直すより手間が一段浅い。
部材の受け入れに置く目
最初の置き場所は、材料が工場に入る扉口だ。反物の状態で生地を見れば、織りの傷や染めのムラは一枚もらさず読める。裁断して小片になった後では、どの反物から来たかも分からなくなる。金具とファスナーの部品は、受け入れの段で引き手の動きとメッキの面を確かめておく。ここを素通りすると、不良は後のどの工程のせいか分からないまま、袋詰めの直前に姿を現す。
受け入れの記録は一枚にまとめ、納入のたびに同じ書き方で残す。比較のできる記録だけが、材料の癖を次の発注に活かせる。
縫い上がる前に見る段
縫製の途中にも置き場所が要る。本体が形になる前の半製品、持ち手が付いたばかりの状態、裏地を入れる直前。この段階ごとに目を通すと、後から見えなくなる縫い目が、まだ開いた状態で確認できる。作り手の横で見るから、縫い代の取り方が設計どおりかもすぐ分かる。
同じ作業を繰り返す現場では、崩れにも癖が出る。一日の前半と終わり際で、出来の揺らぎ方を比べておくと、疲れと工程の混み方が読める。工程内の確認は、不良の検出と同時に、工場の進み具合を知る道具にもなる。
仕上げの台と持ち越し記録
仕上げの段では、見た目の最終確認に加え、工程内で拾った項目の記録を並べる。途中で直した品が、仕上げまでに確かに直っているか。持ち越しの印が残ったまま箱に入っていないか。この突き合わせが終わって初めて、出荷前の検査は短い時間で済む。途中の記録がなければ、最後の段でまた最初から確認し直すことになる。
ヨシダ検品では、工程内の書き込みを出荷前の判定書と同じ番号で束ね、現場で読んだ順序のまま報告に載せている。
工場の動きから割り出す
チェックの置き場所を一つ足すごとに、人と時間の手配が一段ずつ増える。完成後の手戻りの減りと引っ掛けて、収支は現場の実情も込みで読む必要がある。点数と納期のあらましに、今の工程で引っかかっている項目の書き出しを添えておくと、話は一度のやり取りで纏まる。
まず工場の動きを先に見て回ってほしい。材料の置き場から仕上げの台まで一巡し、そこで見えた工程の癖から確認の段を割り出す。依頼の窓口では、品番と点数のあらましを待っている。

















