カンボジアの生産管理は現地スタッフが同じ目線になるまで、基準を揃える会を重ねる
人を育てて基準を寄せる、カンボジアの現場の引き継ぎが生産管理の核
カンボジアの工場での生産管理は、表の管理だけでは進みません。現地のスタッフが同じ目線で判断できるようになるまで、基準を揃える会と引き継ぎの形を組み立てます。
生産管理は人が担うまで形にならない
計画を作り、工程を確認し、出来高を数えても、現場の判断が追随しなければ生産は安定しません。持ち場で品を見た瞬間に、通してよいのか止めるのかを決めるのは、その場に立つ人です。海外の拠点へ生産を移すと、この判断を揃える作業が一気に重くなります。言葉の壁以前に、同じ症状を見た経験の量が違うからです。
だから育成は、生産管理の付録ではなく本体に置きます。
基準合わせの会を毎日少し置く
午前の始まりに数分だけ時間を取り、前日に出た品を並べます。通した品と落とした品を同じ台の上に置き、なぜ通したのかを当人に言葉で言ってもらいます。答えが揺れたら、見本品と照らして線を戻す。この短い反復で、判定の幅が班の中で揃ってきます。
会は長引かせない方が続きます。大勢を一か所に集めるより、少数に分けて短く開く。回数のほうが判断には効きます。
教え方の形を整える
手順を文章だけで渡すと、読む速さと理解の差が作業に出ます。図を主役に置いた用紙に、持ち場の写真と数値の枠を添える形にすると、言葉の壁で止まりにくくなります。声かけの言葉も揃えておきます。同じ不良を人によって別の呼び方で指示すると、班の中で意味が薄れるため、症状の呼び方は一枚の帳に書いて貼っておきます。
教える役の人を先に決めるのも要る仕事です。誰でも教えられる形にすると、誰にも責任が残りません。
人が動いた日の引き継ぎ
現場の人員は年度の中で入れ替わります。抜けた人の頭の中に判断が残ったままだと、翌週から品質が崩れます。引き継ぎは、日付とロットと症状を一行ずつ積んだ帳と、見本の保管の約束、基準合わせの会の記録、この三点で足ります。新任の初日にこの三つを順に読ませれば、同じ場所から出発できます。
見本は摩耗します。貸したまま返らない見本が出た日は、その旨を記録して差し替えの承認を依頼元へ返す流れにしておくと、基準そのものがブレません。
育成が進捗確認に返る
判断が揃うと、進捗の数字の意味が変わります。止まっているのか、やり直しで戻っているのかが、現場の口から正確に出てくるようになるからです。初期品、中期、出荷前と段階を置いて確認する進め方も、現地の人が同じ基準で見ていれば、立ち会う日数を減らせます。生産管理の相談で効くのは、この段階を誰が判断できるかに尽きます。
この会、回数を積むほど班の判断が揃い、日数の見通しが立ちます。どこまで現地に任せるかで、置く日数は上下します。
今どの程度まで現場へ委ねているのか、その実情をそのまま紙に書いて届けてください。

















