財布の出荷前検品は縫い目の刻みと金物のメッキ、ファスナーの滑りで読む
財布とケースは、縫いと金物の膜と引き手の滑りで読む
手元に置く小さな品ほど、使い始めの三日で差が出ます。縫い目の刻み、金物のメッキ、ファスナーの滑り。三つの見どころを軸に、出荷前の読み方を組みます。
縫い目の刻みと端の始末
財布やケースの顔は、布や皮の質より縫いの目で決まります。針目の詰まりと間隔を仕様の紙に当て、一目飛ばした箇所や寄って縮んだ筋を拾います。端の始末が荒いと、使ううちにほどけ、角から崩れていきます。
角を回す縫いは直線より崩れやすく、返し目の位置を重点に置きます。左右で刻みが違えば、開いたときの形が傾いて見えます。
金物の膜は光りと縁から読む
留め具や引き手の金属部は、薄く膜を乗せて仕上げます。光りを斜めに走らせてムラを取り、縁から地色の覗く箇所を探します。膜の薄い縁は、持つ手の擦れで最初に剥がれ、届いた先でくすんで見えます。
錆の吹きは保管の歴史に出るもので、出荷の合図ではありません。油の残りと混同しないよう、触れた面の感触でも分けておきます。
ファスナーは引き手を回して確かめる
開閉の部件は、止まった姿だけを見ても分かりません。閉めて開けてを一定の回数回し、途中で引っ掛からないか、噛みが揃って進むかを読みます。滑りが悪い個体は、使う側が最初に違和感へ手が伸びる箇所です。
引き手の金具が本体に当たる位置に残していれば、肌や布を傷めます。金具と布の当たりまで、この列に含めておきます。
見本と実物の厚みを合わせる
同じ品番でも、芯材の厚みと裏地のがらが変わると手の感触が変わります。認めた見本を台に載せ、実物を重ねて厚みと張りを読み比べます。数字だけの照合では、開けたときの硬さは詰められません。
見本より薄いロットが続く日は、部材の仕入れを先に疑うのが順です。揃った中の一丁だけ浮く場合も、同じ筋を辿ります。厚みの差は開け閉めの感触に直結するため、数字より先に指で確かめます。
癖が出たら縫う段へ返す
縫い寄りが同じ区画に揃うなら、直すのは個体ではなく縫う側です。糸の張りと送りの速さ、押さえの強さ。三つを一行で製造へ返せば、次のロットは同じ癖を繰り返さずに済みます。印を付けた所で止めず、縫う側まで返しを届けるのが、この列の狙いです。
見る項目と回す丁数、捌く品数に割く人数と、条件は四つ揃っています。手間は、この四つの幅で増減します。
列の順は、こちらで合わせます。太く見る三点が先に示せれば、読み取りはそのままその並びに揃います。

















