スポーツバッグの出荷前検品
スポーツバッグは出荷前に、ファスナーの滑りと肩紐の縫いを締める
量産の終盤に立つ検品で、効いてくるのは口の開け閉めと肩紐の縫いです。ファスナーの滑り、バックルの留まり、長さ調整の縫い代。この三列をどう締めるかを整理します。
口を開ける動作を繰り返す
バッグの顔になるのが主室のファスナーです。一度滑って閉まる品と、途中で噛んで止まる品は、手に取った瞬間に分かれます。出荷前の列では、開閉を数十回繰り返して滑りの途切れを拾います。スライダーを離した隙間から口が開いて戻らない個体は、詰まりの前兆として落とします。
ファスナーの端の始末も見逃せません。布の先端が縫い切れていないと、数回の開閉でほつれて滑りが悪くなります。口金の金具が本体から浮いていないか、布の噛み込みが起きていないか。この三点を、開閉の動きと合わせて指で確認します。
バックルは留めて引く
側面のポケットやショルダーの取り外しに付くバックルは、はめる手応えと外す力加減が設計どおりかを見ます。軽く留まる個体と硬すぎて爪が痛む個体は、同じ型でも出てくる原因が違います。はめたまま斜めに力を掛け、跳ね返って外れないことを確認します。
日本向けに求められる品質表示の決まりとも絡むのが、この留め具の耐久性です。届いて数週間で浮く個体は、現地では良品に見えても到着後にクレームへ変わります。出荷前の列で負荷を掛けるのは、その断絶を埋めるためです。
肩紐の調整は縫いで決まる
長さを変えられる肩紐は、調整用の縫い代が荷重を一手に受けます。縫いの密度と返し縫いの始末が足りていないと、重さを掛けた端から糸がほどけます。一定の重りを吊るして暫く置き、縫いの開きと生地のズレが残らないかを確認する列を置きます。
通し革や環の位置が左右で揃っているかも同じ段で見ます。片側だけ縫いが浅い個体は、全体の出来の良さでは救えません。
詰込みの列まで含めて絞る
仕上げが良くても、箱の中で金具やスライダーが当たれば輸送後に傷が増えます。詰込み済みの箱を一箱引き出して、ファスナーの留め位置、バックルの保護の仕方が意図した配置どおりかを見ます。箱の中の余白の大きさで、震動による擦れの出方は変わります。
出荷前はこの列まで含めて初めて、口と留め具の責任が閉じます。報告の末尾には数量と荷印の突合を載せ、箱の顔と中身がずれていないことを残します。ファスナーまで見るか、縫いに絞るかで日当の積もり方は変わるため、狙う列を事前に決めて臨みます。型と数量、出荷の目処まで送っていただければ、列を引きます。

















