スポーツ用下着は着る動作を想定し伸縮の向きと縫い目の食い違いを確かめる
スポーツ用下着の検品は伸縮の向きと縫い目の食い違いを着る動作から確かめる
伸びる布は、置いた姿と着た姿で面のなりが変わります。体を動かす前提で伸びの向きと縫い目を読む、この品だけの確認の組み立て方をご案内します。
着る動作を基準に置く
スポーツ用の下着は、平らに置いたままでは本当の姿を見せません。腕を上げ、体をひねり、腰を落とす。この動作の連なりの中で布は縦にも横にも引かれ、縫い目は伸びに逆らうところから食い違い始めます。だから確認の初手は、着る動作そのものを基準として置くことです。平らな面での採寸だけでは、着たときの伸びの勝ち負けは読めません。
確かめる側の動きも決めておきます。腕を通す向き、布を引く強さを検査員の間で揃えないと、同じ品でも判定が分かれます。動作の手順を一枚の紙にしておき、誰が通しても同じ強さで引ける形にします。
伸びの向きを読む
布には縦に伸びる地と横に伸びる地があり、設計はその性質を借りて体に合わせています。縫い上げの段で向きが一箇所でも逆に使われると、体の動きに布が追いつかず、すそや袖口が強く食い込みます。生地の伸びる向きを指で確かめ、縫い目の走る方向と合わせて読むのがここです。見本の品を手元に置き、向きの並びを一点ずつ照らしていきます。
ゴムの入る段は特に注意します。腰と袖のゴムは、布の伸びと逆らう位置に縫われるため、縫い目の波と段差が出やすい箇所です。軽く引いて戻し、戻りに引っかかる品を拾い上げます。向きの間違いと縫いの間違いは直し方が違うため、記録も分けて置きます。
縫い目の食い違いを拾う
食い違いの多くは、伸びる布を押さえながら縫う工程で生まれます。縫い目の間隔がだんだん詰まる所、布が寄れて皺になった所、押さえ金が擦れた所。目で追うより、指の腹で縫い目をなぞる方が早く拾えます。伸びた状態で縫い目を横へ軽く引く試しを加えると、糸の強度の足りない品も浮かびます。
見つけた食い違いは、そのままだと着用のうちに糸切れへ育ちます。直しで済む品と縫い直しになる品の境を当日のうちに付け、直した品はもう一度同じ動作での確認へ戻します。戻し忘れが出ないよう、直し済みの置き場を口頭でなく札で示します。
検針と出荷前の締め
縫い物には検針を通します。折れた針の断片は見た目に出ないため、機械での確認が安全の最後の関門になります。通した品とまだの品を置き場で分け、数の合う形で締めます。
ヨシダ検品では、判定を着る動作での見本と写真で残し、次のロットへ同じ基準を引き継げる形にしています。
伸縮の品は、引き戻しの一手が一品ごとに乗るぶん、確認の手間も布の伸び方に沿って広がります。素材の種類と数まで書かれた表を基準に、当日の負担は早めの段階で見積もります。
量産が揃う前に、着る見本での確認を一度だけ前へ置いてみませんか。動作の基準と見る項目の並びは、その見本の一点から組み立てられます。

















