クッキングトイの検品、可動部の手応えと刃を模した縁の処置
クッキングトイは可動部の手応えで遊びの寿命が決まる
ままごと道具の面白さは、扉や引き出し、つまみが動くかどうかに集まります。繰り返し作動でどこが崩れ、刃を模した縁がどう始末されているか、そこを検査の主軸に置く進め方を整理します。
遊びの主役は動く箇所
台所に見立てた箱の中身は、並べて眺めて終わる品ではありません。扉を開け、引き出しを引き、つまみを回す。一連の操作が成立して初めて値打ちが立ち上がるため、検査の重心もそこへ乗せます。外観の傷と並ぶ目盛りで、作動の列を最初に紙へ起こすのが初手です。
子どもの扱いは乱暴です。大人が決まりよく触るのを何十倍も上回る回数が、同じ蝶番へ掛かります。どの動きを何回繰り返して壊れなければ通すのか、回数の線を体感のある数字で先に決めておくと、判定が揺れません。
はめ合いと作動の列
扉は閉まったときの隙間と留まりの位置を見る列です。きつければ小さな指では開かず、甘ければ遊びの最中に本体ごとずれます。引き出しは専用のレールを持たず、樹脂同士が摺れる作りが多く、出し入れの途中で掛かりが残る個体は音ではなく指先で拾います。
つまみは段付きで引っ掛かる物と、空回りだけの物では嵌め込みの深さが効きます。ロットから数台抜き、一台ごとに十数回ずつ動かし、初めと最後の手応えの落差を記録に残します。回すほど甘くなる個体は、箱を開けるだけでは絶対に分かりません。
刃を模した縁の始末
包丁やピザ切りに見える部品は、本物の刃には出来ません。それでも切った真似はさせたいので、樹脂の成形で薄く見せた縁が残ります。この手の品はモールドの割れ目に残るバリと、指を滑らせたときに引っ掛かる尖りが最大の論点です。面一になったかは布を滑らせて確かめる列にすると、班全体で評価を共有しやすくなります。
再現度へ寄せるほど危険の線に近付く品類なので、どこまでが真似でどこからが不足かの線は、発注側との取り決めで先に紙へ引いて置きます。迷う個体は軽微側へ流さず、安全寄りの欄へ寄せる運用が後で効いてきます。
部品表に無い変化
量産に入ると色の配合が一枚差し替わり、見た目の色を保ったまま開閉の手触りだけ変わることもあります。承認済みの見本を台の脇に置き、届いたロットと照合して、落差を許容の内と外へ分けて残します。ヨシダ検品では、この照合を品番ごとに一枚の様式へ束ね、人が代わっても同じ目線で判定できる形にしています。
表記と警告の置き場
使う年齢の線引きや口への心配は、本体と箱のどちらへどの大きさで書くかが問題になります。我が国が課す表示の枠組みに沿って、警告文の位置と字の潰れ方を同じ台で読み合わせます。遊び方の用紙と実物の対応も列へ入れ、組み順が合っていないロットが届いた先で遊びが詰まる事態を防ぎます。
点は、可動部の種類と一式の大きさ、拠点との距離に比例して積み上がっていきます。
作動で気になる点を三つだけ紙に書き出しておいてくれれば、その手触りから確認の順番を組みます。

















