南京の工場監査は交代の五分前の様子と記録の連なりから日常を読む
南京の監査は班の引き継ぎと帳のつながりから入る
人の手替わりする地点に、作り方の癖は正直に出ます。交代の五分前と記録の連なりをたどると、南京の工場の日常が一枚の絵として立ち上がります。
交代の五分前に立つ
監査の入口を工程の真ん中に置く進め方もありますが、ヨシダ検品では交代の五分前に立つところから入ります。前の班がどこまで仕上げて台帳のどの欄で筆を置いたか、後の班がどの位置から再開するかは、その時間にすべて現れます。申し送りの紙が同じ形式で残っているか、数え残りの束に印が付いているかを確認します。境目の五分を読めば、その日の品質のぶれ方の見当が付きます。
床を歩き始める前に机へ寄るのも同じ理由です。帳の並びに気になる谷が見えていれば、立つ位置をその時間帯へ合わせられます。
引き継ぎ後の実物を追う
交代後に開いた束がどちらの班の製品か、ロットの記号をたどって切り分けます。境目の束に手当ての跡が集中するなら、人が切り替わった直後に品質が落ちる癖があります。休憩を挟んだ段も同じ読み方をし、同じ型が二回現れたら段取りの話として指摘します。直し席の狙いがそこで定まります。
帳がつながっているか
部材の受入れ、工程ごとの記入、出荷前の最終確認まで、紙の連なりが同じロット番号で結ばれているかを追います。南京の工場では一つひとつの帳が立派に整っていることが多く、問題は前と後ろが噛み合っているかです。時刻の進み方が逆転していたり、記入者の名前が一人に偏っていたりすれば、記録は後からまとめられた疑いを帯びます。機械の点検表と生産日誌の時刻が並ぶかも、つながりの一部です。穴が見えた場合は、その欄の書き方へ指摘を向けると、工場側は翌日から動けます。
班の読みを揃える約束を見る
同じ工程でも人によって見る範囲が変わっては、帳の意味が薄れます。手順の紙が床にあるか、始業前の打ち合わせで何を口にするか、判定に迷った品をどこへ置くかの約束まで見ます。書いた時刻が揃っていれば、後から読む人が工程の顔を思い描けます。指摘は場当たりな直しの指示ではなく、交代の枠に落とすと根付くのが早いという経験があります。
訪問の日数は、品目の数と段の区切り、拠点の顔ぶれで動きます。工程図と班の編成を書いた紙が机に載れば、回る順番はそこから立ちます。

















