帽子の検品は形と頭囲と汗止めの三か所で見る、型崩れの戻りも机の上で測る
帽子の出来は形・頭囲・汗止めの三か所に表れる
箱から出した直後の一頂を、形と実寸と内側の帯という三つの視点で読み解きます。型崩れの戻り、頭囲の測り方、汗止めの縫いという三点に絞り、机の上の段を組みます。
型崩れは開けた直後に読む
帽子は詰み方で表情が変わる品です。同じ型を積み重ねれば、下段のつばに上段の重みが乗って、届く先で返りの違いになります。開けた直後の縁の浮きと天面の沈みを一度で数えるのは、復元を待ってからでは読み違えるからです。
戻りの確かめは、伏せて置いた時の接地の隙から始めます。前だけ浮くのか、一周揃って浮くのかで、芯の性分か詰め方のせいかを分けます。布の物は載せた時間でも沈むため、置く時間を決めた上で数えます。
頭囲の実寸は寝かせて巻く
頭囲は布が伸びていない状態で測ります。帯の重なりを整えた寝かせた姿勢で、巻尺を回す位置を決めて一周。同じ表記でも、前で取るのか後頭部を跨ぐのかで数字は動くため、採る場所は班の中で揃えておきます。
判断に迷う時は同じ型の二枚を並べます。一枚だけ突出していれば部材を、揃ってずれるなら型の段を疑う順です。測る前に整え方を決めておかないと、個体差と採り方の癖が切り分けられません。
汗止めの縫いが語るもの
内側の帯は肌に触れる唯一の面です。縫いの間隔、継ぎ目の当たり、糸端の留め。指の腹を這わせて、めくれとゴロつきを拾います。浅い縫い代は着用で剥がれ、外からは見えなくても、届く先で不具合になります。
汗を取る布は本体の芯も噛んでいます。縫い代が芯を寄せていれば、形を戻す力が弱まります。帯の縫いは、見た目の良し悪しより、頭への当たりの記録として残す方が後で効きます。
三か所を同じ机で回す
形と寸法と内側は、ばらばらに通すと同じ一頂を二度触ることになります。帯を整えて実寸を終え、伏せて返りを読み、最後に指で内側を辿る。一度の順にまとめておくと、保留の数え方も揃います。
ヨシダ検品では、戻らない型崩れを箱のせいにするか本体のせいにするかを分けるため、詰みの写真と実物を同じ報告に載せています。帯の寄りは縫いの工程へ、寸法の突出は裁く段へ返す線も、この紙から引けます。
本数と刻みから段を組み直す
見る寸法の数は型とサイズ展開の掛け算です。頭囲の間隔と一日に捌く本数を突き合わせれば、必要な日数は読み違えにくくなります。
班の人数は日取りに直結します。一人増えれば測る箇所も増え、二日で終える段が一日へ寄ります。手戻りまで見込むと、段取りの重みは人の数の方へ傾く。
初動は言葉を揃える所に置きます。どの箇所を何と呼ぶかこちらで決めておけば、段はその名前から流れ始めます。

















