自社内検品と第三者検品はどう使い分ける:立場が判定と報告に効く
自社内検品と第三者検品、違いと使い分けの考え方
検品を社内で抱えるか、外の目に預けるか。立場の違いが判定と報告にどう効くかを整理し、段階ごとの使い分けの目安を述べる。
立場の違いが効く場所
自社内の検品は、基準への理解が深く、判定の意図まで共有しやすい。欠点は、出荷の圧力と同じ屋根の下で判定することである。納期が迫った日に基準が緩むかどうかは、個々の能力ではなく構造の問題だ。第三者検品は、判定する側が出荷の成否から切り離されている。指摘が上がりやすい。
工場側との距離も違う。常駐の自社スタッフは現場に馴染むぶん、工場の都合を飲み込みやすい。外の目は、慣れによる許容の拡大が起きにくい。長く同じ工場を当たる自社の目には、見慣れによる盲点が溜まる。
判定の根拠としての強み
第三者の報告は、取引の間の共通の紙になる。発注側と工場側の言い分が割れたとき、利害の無い側が撮った写真と数え直した数は、そのまま議論の土台へ乗る。自社内の記録は詳細でも、相手方から独立した証拠としての重みは低い。
工場の品質意識への影響も違う。外の目が入る工場は、検査の前に仕上げの手を抜かなくなる。これは検品の合否とは別の効き方で、継続して入るほど工程に定着する。
使い分けの目安
量産の立ち上がりでは、自社の目で工程の癖を掴む意味がある。仕様の意図を現場へ直接伝えられるからだ。量産が安定した後の出荷前は、第三者へ渡すと判定の独立性が保てる。
新規の工場との取引では、監査と検品を外から入れるのが筋である。取引の初期は利害の構造が固まっていないため、中立の記録が後の関係を支える。長年の取引でも、一定の期間ごとに外の目を通す工場は品質を保ちやすい。
併せて使う形
両者は置き換えではなく併用が実務である。自社内の確認は日常の細かい揺れを拾い、第三者の検品はロットの合否と取引の記録を担う。ヨシダでは、報告の様式の共通化を初回の打ち合わせで揃え、両方の記録が一つの帳に繋がる形にしている。
併用の失敗例は、第三者を自社の指示の伝達係として扱う形だ。判定の独立性が失われ、報告の重みも減る。判定の根拠と数え方を第三者へ預け、自社は基準の設計側に回るのが上手い分け方である。
立ち会いの回数と置き所
立ち会いの回数が費用を決める。月の初めに足すか、出荷の前に一度にするかで、総量の読みは変わる。立ち会いの間を自社の確認で埋める形にすれば、外の目は要所に厚く置ける。取引の段階と頻度が見えれば、置き所のあたりは示せる。
自社の目と外の目の使い分けは、立ち会いの回数表づくりから。

















