繊維生地の外観検査:目で反を走らせ点状の欠点を数として積み上げる
反を目で走らせて点を拾う 繊維生地の外観欠点の数え方
生地の良し悪しは、見たままの印象を言葉にするだけでは判定として弱いものです。点状の欠点を一つずつ拾い、数として積み上げる考え方を整理します。
印象を数に変えるまで
外観の検査は、織りのむらや染めのむらを目で確かめる作業ですが、印象を口頭で述べるだけでは、人によって判定が分かれます。欠点を見つけ、種類を分け、数を積み上げることで、初めて誰が見ても同じ結果になる記録ができます。
同じ一枚の生地でも、探し方次第で見つかる欠点の数は変わります。だからこそ、どこをどの速度で眺めるかという拾い方の決め方が、品質の記録の質を左右します。
点状欠点の拾い方
基本は、反を検査台に広げ、明かりを斜めから当てて、面をなるべく均一な速度で眺めることです。光の角度を変えると、正面からでは見えにくい織りキズや押さえ痕が浮かび上がります。
拾う対象は、織り込みの異物、糸の結び目、油汚れ、染めの飛び、小さな穴といった、点として現れるものです。大きな欠点は一見で分かりますが、細かい点は目の位置と速度が一定でないと取りこぼします。
見つけたら、目印のタグを当てて位置を示し、その場で種類と大きさを分類します。後から思い出して記録するやり方は、数が崩れる原因になります。
記録のつけ方と判定の枠
種類ごとに分けて数えた値は、反ごとの台紙に位置とともに写します。大きさの区分を先に決め、どの区分をどれだけ許すかの枠を仕様書に書き込んでおくと、判定がぶれません。
枠は依頼元と事前に揃えます。同じ「汚れ」でも、小さな点を許す品と許さない品があり、現場での解釈の揺れを防ぐには、良品と不良の境界を実物の見本で示すのが確実です。
数え方の細かさを選ぶ
細かさをどこまで詰めるかで、当日の目の置き方と手間の総量が変わります。眺める速度を落として細部まで拾うか、通常の速度で点を数えるかで、一日に確認できる枚数が変わるため、品の等級と用途から粒度を選ぶのが現実的です。
納期が迫る品から先に枠を固め、残りは標準の粒度で回すといった組み方もあります。すべてを同じ細かさで数える必要はなく、品目ごとに深さを変えるのが実務です。
数えた記録を次につなげる
数の記録は、縫製段階の手戻りを減らす材料になります。欠点の集中した反を先に裁断から外す、欠点の位置を縫製工場へ伝えて裁断図に反映させるといった使い方ができます。
まず手元で決めるのは、品番ごとの欠点の種類、許容の範囲、そして数え方の粒度。現場の記録を形にするための三つの柱。

















