品質検査の重点はロットの段階で動く:初期のまとまりと量産で分ける
初期ロットと量産ロットで変わる品質検査の重点
品質検査で押さえる点は、ロットの段階によって動く。初期のまとまりから量産まで、それぞれの時点で何を重点に見るかを整理し、検査の組み立てに活かす考え方をまとめた。
初期ロットで詰める点
生産が立ち上がった直後の初期ロットは、仕様と見本の読み合わせを固める場だ。サンプルと照らし合わせて、色、寸法、縫い方、部品の付け方が意図どおりかを一つずつ確かめる。工場の作りに癖があると、この段階で表に出るため、初期を丁寧に見るほど後の流れが楽になる。
初期の確認では、不良の種類より出方を重視する。どの工程から、どの形で出るかを掴めば、直す場所と直し方が決まる。初期の間に見本との差を詰めておかないと、量産の段階で同じ指摘を繰り返すことになる。
量産ロットで変わる重点
量産に入ると、検査の役割は探すことから監視することへ移る。初期に比べ品数が増えるため、全数ではなく抜取りで判定するのが一般的だ。規定の基準に沿ってまとまりから品を抽出し、色の揃い、寸法の揺れ、加工の均一さを確かめる。アパレル系の品であれば、AQL2.5という抜取の目安に沿って合否を組み立てることが多い。
量産の後半で増えやすいのは、当初にはなかった揺れだ。材料の仕入れ先が変わる、作業をする人員が増える、納期に追われて手順が省かれる。検査はまとまりの中でこうした変化を拾い、傾向が動いた時点で工場側へ返す。
初期と量産をつなぐ判定基準
両者をつなぐのは、初期に決めた判定基準だ。良品の上限と不良の下限を示す見本を定め、量産の検査でも同じ物差しを使う。基準が口頭や記憶に頼ると、検査をする人によって判定が揺れるため、見本と手順を形に残すのが原則だ。
見本は保管の仕方も含めて管理する。色褪せや変形した見本は基準そのものを歪めるため、判断に使えなくなった段階で入れ替える。基準の入れ替えは依頼元と工場の双方が共有して行い、いつ変わったかを記録に残す。
報告と手戻りの動き
検査の結果は、当日中に文章と写真でまとめる。不良の内容と数、見つかった段階、直した品の仕分け先を記録に残し、出荷の判断材料にする。判定はその場で下し、合わない品は直すか分けるかを現場で決めて、直後にもう一度同じ項目を確かめる。
日本向けの品であれば、表示の規定や検針の要否も含めて基準を整える。現地の工場と直接やり取りできる責任者が間に立つと、指摘の伝わり方が速く、手戻りの量が抑えられる。
段階に合わせた依頼の組み方
費用の置き場所は、ロットの段階ごとに動く。初期に時間を掛けるか、量産の出荷前に厚くするかで、手間の配り方が変わるため、品の難しさと工場の癖から始める段階を決めるのがよい。段階をまたいで同じ基準で見続ける体制があれば、検査の量を抑えつつ品質を保てる。
初期に決めた判定が量産の後半まで機能するかどうかは、現場ごとの目配りで押さえておくのが穏当だろう。

















