新商品の試作ロットは出荷前の初検査で崩れを次に渡す形へ残す
新商品の試作ロット、出荷前の初検査
量産品とでは意味が違うのが最初の数丁だ。初検査の仕事は合否を刻むことではなく、崩れを次に渡せる形へ残すこと。試作便を出荷する前に置く列の組み立てを記す。
試作ロットは練習ではない
開発中に刻まれる口の小さなロットは、量産のリハーサルではない。型は立てたばかりで、治具も並びきらず、作業する手も工程に慣れていない。ここで顔を出す崩れは、先の地図である。
量産と同じ目線で仮合格を重ねると、困りごとの輪郭がぼやける。設計がどこまで詰まっているのか、書き残すのが初検査の仕事だ。
票に三点を載せる
寸は測って載せる。許容幅に収まっていても、片側へ寄った値は残す。合否だけで埋めてしまうと、次の直しに掴む取っ手がなくなる。
嵌まり、動き、手触り。隣り合う部品との取り合いを一巡させて、引っかかった点を言葉で添える。繰返し動作は何度回したかで結果が変わるため、回数の数字も記録の内側にする。
返す先を間違えない
不良を書き並べるだけでは、報告は半分だ。設計が悪いのか、工程が悪いのか。どちらを直すべきかの見当を添えないと、次の回が動く順に迷う。
再現もいる。別の人が紙だけ読み直して、同じ崩れを追いかけられるか。追えなければ、残した意味が半減する。写真は数値と組で載せる。
送る前の壁
試作ロットを評価先へ送れるか。初検査の後で判断の線を引き、越えてから出荷へ渡す。合格であっても、癖の注記を添えて出す。
評価の後に量産の目途があるなら、初検査の日も逆算に入れる。検査の日が浮くと、量産の判定日が後ろへずれる。
基準を固める前に
試作のうちは、図面と実物が噛み合わないのが普通である。どちらを信じるのか。図の値か、組んだ実物の手応えか。その視線を報告の冒頭に書いておく。次回から基準が同じ目線で追える。
量産の目途がある案件なら、初検査の票は量産の検査計画の起点にもなる。捨てずに繋ぐ癖が、次のロットの組み立てを速くする。
回数の癖
二回目、三回目でも同じ列を繰り返す。一回目の記録が薄いほど、二度目は原因探しになる。列の形を最初から固定しておく。
試作ロットの点検は、回を数えて置く。図面と評価の日が同じ紙に来れば、第一回で追う項目はそこに立ってくる。型の修正が続く限り、回も人日も積み上がる。

















