抜取検査でロットの合否を決める:検査単位の切り方と報告の型を整理
抜取検査(AQL)でロットの合否を決める、検査単位と報告の型
出荷前の衣料品検品では、どこまでを一つの括りとして切り、合否をどう届けるかが判定の質を決める。検査単位の決め方から報告の型まで、抜取検査の手順をなぞる。
検査単位を先に切る
合否という言葉は、品一枚ごとではなく、ロットに対して出る。だから検品の初手は、何を一つの括りとするかの決定である。基本は品番ごとに切り、同じ品番でも色とサイズの異なる分の扱いを先に決めておく。生産の週が違う分、納期の違う分を一つの括りに混ぜると、不良の出どころが追えなくなる。
混載の出荷では、一つのカートンに複数の品番が入ることがある。この場合、判定は品番ごとに分けて出すのが筋である。中間検品を通った分と通っていない分も、括りを分ける。括りの境が曖昧なまま抽出へ入ると、合否の説明が立たなくなり、工場側とのやり取りが長引く。
抜く数と抜き方
括りが決まれば、AQL2.5の水準に沿って抜く点数が決まる。抜き取りはカートンを単位に選び、選んだ箱の中身をまとめて検査台へ出す。手前の箱ばかり、開けやすい箱ばかりを拾う形では、作為の疑いをかけられる。番号を振って選ぶのが定石である。
衣料品では、検針だけは全数に置くのが常である。抜取の枠と全数の枠を混同しないこと。抜いた点数は、外観の確認、寸法の実測、付属の照合へ順に回す。寸法は規定の位置で測り、測る位置を一枚の図に定めておけば、検査員が替わっても値が揃う。
合否の数え方
合否は、抜いた点数の中で落ちた品が許容の数を超えたかどうかで決まる。落ちた品は、軽微な傷と重い欠陥を分けて数え、重い方の数が判定を左右する。限度の置き方は、依頼側の許容と工場の改善力の間で決める話であり、検品側が一方的に決めるものではない。
境目を検品の後に決めると、合否の議論が長引く。限度は検品の前に文字にしておく。寸法の誤差、傷の長さ、汚れの広がり。数値で表せる項目は上限を書き、表せない項目は見本の品で境を示す。境を示す見本は、合格の例と落ちる例を一つずつ並べる。
合否を伝える形
判定の結果はロット単位で一枚にまとめる。合格のロットは封と荷印で閉じ、不合格のロットは、不良の型ごとの点数、位置の分かる写真、手直しの可否を並べて返す。写真は合格側と不良側を見開きで対にして一枚へ収めると、工場側の読みが速い。ヨシダ検品では、判定の結果を当日中の概要と翌日の詳細の二段で返す運びにしている。
合否が遅れるほど、直しの段取りは後ろへ押され、出荷の日程を圧迫する。報告の様式はロットごとに変えず、同じ欄の並びを続ける。様式が揃うと、月をまたいだ不良の傾向が数字だけで追える。
直した後の再判定
不合格となったロットは、直しの後にもう一度数え直す。再判定は、直した分だけを数えるか、括り全体を開け直すか、初回の不良の出方で決める。傷の混ざり方が不揃いなら、全体を開け直すほうが安全である。
費用の輪郭を決めるのは、検査項目の総量である。外観の項目を一つ足す、寸法の測る箇所を広げる、同梱の照合を加える。項目の積み上がりがそのまま当日の手間へ写るため、項目表を先に一枚共有すると、粗い当たりはその日のうちに返る。
出荷前の判定を固める起点は、検査単位の設計と報告の型の二枚である。品番の構成と希望日が決まれば、括りの切り方の案出は早い。まずは仕様表の共有から。

















