オーディオ機器の出荷前検品、一台ずつ通電を確かめる筋
オーディオ機器は通電の列と試験データを繋いで出荷前を締める
オーディオ機器の出荷前検品は、音が出ないまま旅立つ品をゼロにできるかから始まる。一台ずつ通電を確かめる筋を現場で回し、第三者の試験データは前もって取り寄せて繋ぐ。二つの段取りの合わせ技を記す。
通電全数で見るもの
スピーカー、ヘッドホン、小型の再生機。最短の確認は一度鳴らすことだ。電源が入るか、音が出るか、受信が安定するか。外観が整っていても、作動しなければ出荷できない。通電を全数で回すのは、無音の混入を根絶するためである。
傷や汚れとは別の目で、作動確認に時間を配分する。出荷前検品の中で、通電はいちばん手間の乗る工程になる。
検品員は作動の列を回しながら、出方の悪い個体はその場で印を付ける。直して戻すか、落とすかの線引きを当日中に決める。
確認の単位
電源の切り替え、再生と停止、つまみの触感、プラグの差し心地。一品に対して数操作を短い周期で回す。
ヘッドホンなら左右の音量差と線の接触、スピーカーなら低域のびりつき。品目ごとの着眼は開始前に決めておき、判定がブレる余地を残さない。
第三者の試験を外部へ出す
電気安全や発する波は、現場で測りきれない。見本を検験機関へ預け、報告書で受け取る段取りを組む。
必要になるのは報告書とロットの対応付けだ。どの出荷がどの仕様の数字で立つか、紙と現場が噛み合っていなければ、出荷の関で止まる。
試験機関の込み具合は季節で揺れる。日数を計算に入れるか、通電の手前で待たせるか、判断は出荷前検品の設計のうちだ。
繋ぐことで軽くなる
試験データが収まっていれば、出荷現場の検査は身軽になる。同じ仕様へ同じ目を何度も使わずに済むからだ。依頼を検査日より前の段階に入れておけば、報告書の待ち日が日程を食わない。
検査の用紙に試験の番号を転記しておけば、あとの照合は紙をめくるだけでいい。通電と報告書、二つの筋が揃って、オーディオ機器の検品はようやく閉じる。どちらか片方では、音の品質は証明できない。
設計の間隔
確認の手数と品数は連動して動く。量に応じて人の配置と試験の窓を一つの紙に設計する。
通電を全数で回すか、外部の試験を幾つ立てるかで、規模は変わる。品目表と性能仕様、計画の机の上へ。

















