品質管理で基板と生地のロットを一人で回す:分野をまたぐ一日の組み替え方
多岐の分野で品質管理を担う、基板ロットと生地ロットの一日を一人で行き来する
午前に基板、午後に生地のロット。検品員を替えられない日でも、開く順番は持ち場ごとに違う。分野をまたぐ品質管理で、一人の一日が組み替わる筋書きを追いかけます。
一日の初手が、持ち場で違う
基板のロットへ入る朝は、品そのものより環境が先です。手首に巻く帯で静電を逃がし、棚の湿りと台の乾きを目方で確かめてから箱を開ける。環境が整わないうちは、どの盤にも触れない決まりです。生地の拠点では初手が光になります。明るい席へ運び、台へ通しで広げ、端から面へ目を走らせる。片方の敵は電気、もう片方は影。無関係に見える二現場でも、入り口は真逆から立てられます。
読み順も、表裏が入れ替わる
基板は部品の刻印と載り向きを最初に読みます。方向を誤った枚数は、後からどんな測り直しでも生き返りません。外観と半田の面、抜き取りの実測が後に続きます。検品で追う順序は生地では逆です。色柄の面をまとめて見てから、採寸、細部の縫いと留め、そして出口で検針を通す。致命的な難点が潜む場所が異なるのだから、品質管理の手順が反転するのは自然な帰結です。合否の線も品ごとに別紙で、基準表そのものが二組並みます。
傷みの扱い方も、二つに割れる
基板は折り直しが許されません。痛んだ盤はよける一択で、処理に片道しかありません。生地は縫い直して蘇るから、列の後ろに補修の席を置きます。二つの材料を抱える現場では、戻しの意味そのものが違ってしまう。そのため、同じ判定表には載せません。枚数で分けて、見る人の立ち位置まで替えます。
一人が落とさないための、間のリセット
一番怖いのは、前の持ち場の目の癖を次の現場へ持ち込むことです。午前の厳しさを午後の布へ引きずると、過剰な戻しが目に見えて増えていきますし、その逆なら穴が残ります。新しい台に向かう前に、基準の行を紙で読み直す。一息置く間の取り方が、多岐の分野をまたぐ品質管理では腕になります。交代を挟む日でも、口頭ではなく紙の引き継ぎで午後の着眼を移す運用が定着しています。検品という仕事は、技術の掛け算ではなく段取りの引き算で安定していきます。
品目が一つ足るごとに、見積りの線を一筆ずつ足していきます。日数と手数は、現場に抱える品々とロットの規模に揃って進みます。構成の照合は、やり取りの続きの中で詰めたい。二つの品目の分は、日付が揃った形で受け取ります。一日分の人足は、受け持ちの段取りから割り換えます。

















