金属部品の検査、メッキのムラと防錆油の膜からロットを読む
金属部品の検査は、メッキのムラと防錆油の膜から読む
同じ液槽に同じ時間浸けても、面の向きで光の返りは変わります。金属部品の検査では、メッキのムラと防錆油の膜という二つの面から、ロットの出来を読み直します。
光の返し方で筋を見る
検査の机では、ランプを一方向から当てて見切るやり方を取りません。品を回して二方向、三方向から返りを見て、暗い筋が出ていないかを追います。側面だけが光を拾わない個体は、一方向の目視では素通りしてしまうため、回す手順そのものが合否を握ります。
縁から角へかかる光の筋は、液の回りが悪かった跡です。面の中央だけが淡い場合は、槽の中で隣に並んでいた品との重なりを疑います。
色は並べて比べる
単体で正しく見える色も、同じロットを横に並べたときに差が出ます。金属部品の検査では、見本と一対一で向き合うだけでなく、同ロットの並びで濃淡を見る段を必ず置きます。ここで拾えるのは個体の不出来ではなく、槽の中の位置による偏りです。偏りだと分かれば、作り手は掛け具の間隔や液の巡りで直せます。個体不良として返す場合とでは、戻る先が変わります。
三枚並べて差が読めなければ、五枚に増やして見ます。枚数の増やし方で判断は動きます。
防錆油は量の問題
仕上げた面を守るために薄い油を引きますが、この膜は検査で二つの顔を見せます。厚すぎれば包装紙に油じみができ、袋の内側に粒が残ります。薄すぎれば輸送中の湿気で表面に斑点が出る。防錆油は、残っていること自体を悪いとは数えません。じみの範囲と粒の大きさで線を引き、指で押さえたときに回る手触りまで含めて判断します。
油の量を減らしたいロットでは、布で押さえた面と、そのままの面を一枚ずつ並べて確かめます。
持ち方の履歴が面に残る
磨いたあとに素手で持てば、その跡が次の工程で染みになります。検査の段では、持ち方の履歴が品に刻まれている前提で、袋から出した直後の面の状態を追います。布手袋でも繊維の取り残りは残るため、光を斜めに当てて細かい毛羽まで見るのが金属部品の実務です。
重ねたときの下も同じです。トレーの縁で付いた小さな打痕は、面取りの後まで及んでいることがあります。包む段の癖まで含めて読めば、同じ傷が次のロットでも繰り返されにくくなります。
見方を紙に残す
ムラと膜は、人の目で線を引き直す種類の判断です。ヨシダ検品では、同じ机の光の条件で撮った写真を基準に添え、どの返し方で何が見えたかを書き残します。読み方の幅が紙に残っていれば、ロットを跨いでも同じ判定が引き直せます。
膜厚を何枚で追うかと、面のどこまで照らすか。二つの範囲を置けば、段の数も人の日数も自然と揃います。メッキの指定とロット番号が手元に揃った時点で、確認表の叩き台をこちらから出します。

















