アヴァンス 検品
出荷前に前へ倒す—完成品が混む前の中間引け
出荷前の山が完成品で埋まってからでは、直しを工程へ戻せない。量産の途中で一部を引いて品を見る中間引けを置く進め方を、段の組み方から整理した。
なぜ最後の週では手遅れか
出荷前の検品は、仕上げ終わった品を相手にする。箱詰め済みの山を崩してまで手を入れられる時間は、便の出る前の週には残っていない。だから判定が傾いても、処置は直し品としての戻しではなく、ロット全体の扱いを変えるしかない話になる。同じ不良なら、完成品として積み上がる前に出会った方が、返す先は工程そのものになる。
検品を前へ倒すとは、そういう時間の話だ。出荷前にしか見ない会社と、途中で一度引いておく会社とでは、不良の扱いの大きさが違う。
中間引けの段の置き方
引き時は、縫い上がりや組み付けが動き出して一定の量が育った時点に置く。全部を揃える必要はなく、台の上に乗る分の数をその場から押さえて通す。見るのは完成形ではなく、まだ開いている工程の品だ。縫いしろの向き、部材の食い合わせ、付属の付き位置。閉じてからでは覗けない箇所が、この段階ならそのまま見える。
引いた品は検品場の台へ載せ、外観と作動、数量の順に一通り通す。保留にした分は解いた形のまま置き、どこが開いていたかを実物で示せる形に残す。
工程へ返す読み替え
中間引けの価値は、結果をロットの合否ではなく工程の指示に変換する点にある。同じ型の開きが十枚続けば、台の設定の話として工場側へ返せる。返し先が直しの作業者から型や段取りを持つ担当へ移ることで、後の数量に同じ欠けが増えるのを止められる。出荷前の判定では、この読み替えはもう間に合わない。
写真と本数だけを送る確認ではこの段は成立しない。引いた品の実物を横に置いて話せる距離に、場を設計しておいてはじめて、返しが形になる。
出荷前検品とのたすきの分担
途中で見たから出荷前は要るのか、という問いには、役割が違うと答えるのが正確だ。中間引けは工程の癖を潰す段、出荷前はそのロットそのものの合否を詰める段である。ただ途中の記録が残っていれば、出荷前の確認は厚みの置き方を変えられる。前に見つけた癖の箇所を濃く、既に締まった項目を薄く引ける。二度同じ幅で開ける必要がなくなるぶん、当日の動きも軽くなる。
扱いの行き先まで決めておく
引いて通した品の行き先は、事前に詰めておく。そのまま戻すのか、解いて縫い直してから再通するのか、別枠で保管し次に織り込むのか。箱詰めや検針、外装箱への分入れまでを任せる場に預けておけば、保留品の行き先で日を費やすことはない。引いた日と返した日が同じ週に収まる距離感は、拠点の選び方で変わってくる。
日程の形は、引く回数とロットの区切り方で太さが増減する。区切りは細かくても構わないから、最初の一回をいつにするかから組み始めるのが良い。
量産の着手日と船の予定がこちらへ届いた時点で、初回の引き日を置く暦を動かしにいく。

















